大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

【速報】東北・みやぎ復興マラソン2023

念願のフルマラソン初挑戦&完走を遂げることができました!

未知の領域へのチャレンジに加え、万全とは言えないコンディション、夏の間の練習量不足など不安要素が多々あったものの、関係者&スタッフの皆様、美味しいエイド、そして一緒に走ったランナーの方々のおかげで最後まで楽しく走ることができました。

この場を借りて、まずはお礼を申し上げます。

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今は達成感と色々な想いが入り乱れて上手くまとめられそうにないので、詳細は後日改めて。

 

 

開幕直前! B2リーグ 2023-2024 順位予想

 明日10月5日(木)より、いよいよ開幕するBリーグの新シーズン! 2023-2024シーズンは、①映画『THE FIRST SLAM DUNK』の記録的ロングランを追い風に、②W杯でのAKATSUKI JAPAN漫画をも超えるような奇跡的な大躍進に加え、③例年以上に活発な移籍市場により特にB1でのパワーバランスが群雄割拠状態となったことで、前例のない国内リーグのバスケブーム到来を予感させるシーズンです!

 今回は、我らが福島ファイヤーボンズ属するB2リーグの順位予想を行なっていきたいと思います。ちなみに僕のB2の順位予想は今回で3回目。昨シーズンの予想はかなりの的中率でした。これはボンズを熱狂的に応援しつつも、補強も改善もされないままの弱点(①ポジション編成の偏り日本人Fの不在、②オフェンス停滞時の打開策がほぼ皆無、③接戦に勝ち切れないチーム体質)を客観的に把握できていたことが要因だったと思います。

 いよいよ迎える新シーズンです……が、今回の順位予想ははっきり言って自信がありません(涙)。B2リーグ全14チーム中、最も予想が難しい(というかほぼ不可能)だったのは、他ならぬ福島ファイヤーボンズ

 理由(←言い訳とも言う)は以下の3点。

  1. 12名ロスターのうち、昨シーズンからのメンバーは4名、対して新加入の選手が8名(内、外国籍2名はBリーグ初挑戦)
  2. 若手の日本人選手たちがプレータイムをしっかりもらえた場合、どのくらいやれるのか&どのくらい成長できるのかが未知数
  3. チーム初の外国人指揮官の手腕や如何に?

 以上を踏まえると「今シーズンの順位予想はパスしちゃおうかな?」という気持ちもあったのですが、NBAファン歴28年Bリーグ観戦歴4年目(&バスケ経験ゼロ)の素人なりに、一部独断と偏見に基づきつつ分析していこう思います。

 

B2 東地区 2023-2024 順位予想

  1. 越谷(B2優勝&B1昇格)
  2. A千葉
  3. 福島
  4. 新潟(WCでPO出場)
  5. 山形
  6. 岩手
  7. 青森(B3降格)

 下馬評ではA千葉を優勝候補&B1昇格筆頭と考える方も少なくないようですが、僕は越谷を推します!昨シーズンもベテラン&若手、日本人&外国籍選手のバランスが取れたチーム編成でしたが、今年は笹倉選手LJ.ピーク選手喜多川選手井上選手B1から加入し、ベンチメンバーも含め実質穴のないラインナップが完成したと思います。何よりも大きいのが宇都宮をB1王者へと導いた安齋HCの存在(しかもピーク選手&喜多川選手は宇都宮時代の教え子)。

 完全に未知数の福島ですが、不確定要素=可能性として全てプラス査定したとしても、越谷とA千葉の完成度、及びチーム、クラブ、ブースターを含めた勝者のメンタリティが(悔しいけれどやっぱり)上、と判断し3位としました。逆に言えば、福島はチームやクラブだけでなく、応援するブースターも含めて「勝てなくても和気藹々とした地元チーム」から「結果を残せるプロチーム」への意識改革が不可欠。本当にB1へ昇格できるだけの実績を築けるのか、それとも一部の県民に愛さる万年プレーオフ狙いのチームのままなのかを決定するシーズンになる、と僕は考えています。

 福島同様に大幅にメンバーを入れ替えてきた新潟ですが、チーム形成に失敗した場合、大崩れする可能性も。昨シーズンでのB1での経験値を加味して4位と予想しました。

 東地区の5〜7位は僅差ながら日本人選手のレベルには大差がないため、①外国籍選手の総合戦力と、②昨シーズンからシーズンオフまでのチームの勢いと補強の成果の2点を踏まえ、この予想となりました。

 

B2 西地区 2023-2024 順位予想

  1. 滋賀(B1昇格)
  2. 神戸
  3. 熊本
  4. 福岡(WCでPOへ)
  5. 静岡
  6. 愛媛
  7. 奈良(B3降格)

 西地区の上位予想も難しかったのですが、B1復帰を本気で考えている補強を行った滋賀を1位としました。ただし、昨シーズンプレイオフ台風の目となった神戸(昨シーズンは西宮)は日本人選手がほぼ残り、加えて外国籍選手のスカウトにも定評のある森山HCが引き続き指揮をとるため、チームの総合力と完成度で最終的に滋賀を上回る可能性は十分にあると思われます。

 3〜5位も僅差ですが、静岡はB3からの昇格の勢いに加え、B2でしっかり戦うための現実的且つ堅実な補強を敢行したことで、最終的には3位まで順位を上げる可能性もあると思います。

 

 最後に。僕の応援する福島ファイヤーボンズはシーズンオフに大改革を行い、ほぼ原形を留めない新チームとして新シーズンに挑むことになります。チームの事実上の解体については思うこともたくさんあります。正直、今年のチームには僕が応援を始めた2019-2020シーズンからの連続性をほとんど感じられません。個人的に一番好きだったのは2021-2022のチームでした。あの体制のままB1に行ければ良かったのですが、勝てるようになってきたことで昇格するための大きな壁が見えたシーズンだったと思います。一方、前述の弱点とそれらに対する無策から、昨シーズンは開幕前からほぼ一切期待できないままに中途半端な結果に終わってしまいました。今シーズンは未知数故の不安もありますが、これまでの問題点を克服するための準備は整ったと思います。地元のプロスポーツチームの躍進をきっかけに、故郷が少しでも良い方向へと動き出すことも願いつつ、今年も全力で応援していこうと思います!

 

激走!第27回 浅川ロードレース(10km)

 本題に入る前に少々。先日の『第25回 さくら湖マラソン』や、今回の『第27回 浅川ロードレース』の数日前に、僕が以前にまとめた拙い試走や本番のレポート記事へのアクセス件数がそれなりに伸びていました。嬉しい限りですありがとうございます

 僕自身、市民ランナーとしてのデビュー以降、多くの先輩ランナーの試走レポートや大会報告を参考にさせていただき、時に大いに励まされ、そして何より本番当日の助けとなりました。

 受けた恩は次に繋いでいくというポリシーの下、僕なりに自分の実際の経験や見聞を文字にしたものが、他のランナーの方々やこれから走り出そうとするかつての自分と同じような立場の皆様のお役に立てているようであればこの上なく幸いです

 

 ……さて、本題。昨年初参加だった『第26回 浅川ロードレース』は、体感30℃を越える暑さの中、51分20秒と善戦はしたものの、暑さ対策を含めた準備の重要性を痛感した大会でした。また、地元の名店『天ぷら まるみ』も、その後結局訪れる機会がなかったため、昨年のリベンジ(?)を兼ねて大会約10日前に試走に出かけました。

 浅川町役場の方に許可をいただき、役場前の駐車場に車を置かせていただいて一年ぶりに実際のコースを走ってみたのですが、役場周辺の商店街とその先の住宅地を抜けて以降での距離感が本当に掴みにくいコースだなと再認識。当日もしっかりと手元の時計で1kmごとのペース把握が欠かせないと思いました。

 役場やコース周辺では多くの関係者の方がコース整備や準備をされていて、町全体で大会を作っていただいていることも再認識。試走を終え駐車場に戻った後、年配の関係者の方が気さくに話しかけてくださり、彼とずっと話し込んでいるうちに本来の目的(?)を忘れそうになる始末

ついに……来た!俺はこの日を1年待ったんだ!

 昨年の試走の帰りに訪れた際には貸切だった『天ぷら まるみ』。この日は駐車場に車はほとんどなく、入口でご主人らしき方に「……今日、やってますか?」と恐る恐る尋ねたところ「ええ、どうぞ!」と笑顔で歓迎!

 この日は実質、僕一人の貸切状態。おすすめの「天まる丼」を注文し、待つこと暫し……

天丼の奥で輝くは線香花火(動画撮影にすれば良かったと後悔)

 写真では伝わりにくいのですが、海老×2、特大あなご、めごち、はぜ、海苔、かぼちゃ、ブロッコリー、ピーマン、半熟卵……とご飯が見えないくらいの豪華ランナップ!ひたすら夢中でいただきました。

 一年越しの食べ物の恨みも晴れ、お店の方々にも応援をいただき、あとは本番を待つばかり。

 

 昨年の様な快晴&猛暑にならないことを祈る日々でしたが、会場に向かうまでは曇天模様。駐車場のスタッフの「ばっちり曇りにしておきました!」の言葉に、この方はランナーの心情をよく理解されているなぁ、と感動。

いい感じの曇りだけれど、かなりの高湿度……

去年よりも盛況の開会式

before:気合十分!

after:意識朦朧

 流石に写真2枚でやっつけるつもりもないので、レース内容を少々。最初の1kmを約4分20秒で通過したものの、周囲に引っ張られ過ぎていると感じ、そこからは終始キロ5分以内を念頭にペース維持。高湿度を考慮し、昨年同様しっかり給水をするも8km前後からとうとうお日様がこんにちは(あと10分だけ待ってくれ!)。ラスト1kmを切ったところからスパートをかけるも、あまりストライドを広げられないまま必死にゴールへ。タイムは……47分43秒(※10km自己ベストは昨年の郡山シティの47分8秒)!

 2週間前の『第25回 さくら湖マラソン』は、アップダウンがけっこう激しく雨だったにもかかわらず48分32秒と納得のいく結果を出せたので、今回はそこからタイムを更新できるとは思っていませんでした。我ながら快挙かと。強いて反省点を挙げるなら、途中ちょっと弱気になって必要以上にペースを落とし過ぎたかな

 

 呼吸を整え、汗の始末をしていたところ、突然見知らぬ2〜3才の女の子が「ねぇねぇ、これ、カタツムリ!」と小さな手を広げて、カタツムリの殻を見せてきました。人見知りしないお子さんだなぁと感心して「もぅ一回見せてくれるかな?」とリクエストしたところ「やだー!」……おぃ保護者、どこにいる?(笑)

 その後、立ちあがろうとしたところ、また例のお嬢さんが「紫陽花とってきたの!」と固く手を握ったまま近づいてきたので「おぉ、見せて!」とリクエストしたところ、また例の「やだー!」……おぃ保護者(以下略)。その若さで年長者を手玉に取るたぁ、末恐ろしいお嬢さんだ(笑)

具沢山の豚汁、美味しゅうございました!

 昨年同様、会場には何故か90年代のJ POPが流れていたのですが、ふと耳に入ってきたのは、今(悪い意味で)話題の、例のあの方の往年のヒット曲『大スキ!』

 今現在、このご時世で最もオンエアしちゃいけない曲があるとすれば、この曲を置いて他になし。では何故こんな牧歌的な場所でそのような曲が大音量で流されているのか?

 浅川町には絶対に悪意はない(はず)。そぅ、これはあまりにも出来過ぎた偶然。でも、このご時世、歌詞が全部違う意味に解釈できてしまうのは……もはや不可避

 “とっても大スキよ”(←いやいや、あなたには家庭があるでしょ!)、“ダーリン”(←さてはあのシェフのことか?)と、脳内で勝手なツッコミが止まらないまま、会場を後にしたのでした。

 

激走!第25回さくら湖マラソン大会

 コロナ禍により長らく全国的に中止が続いていたマラソン大会。ようやく昨年あたりから(一部制限はあったものの)徐々に復活の兆しが見え、そして今年はほぼ以前の状況に戻りつつある中、先日行われた『第25回さくら湖マラソン大会』(10km)を走って参りました!

 僕にとっては昨年初参加&初挑戦の大会で、今回が2回目の挑戦となります。ちなみに昨年の模様はこんな感じ(↓)でした。 

dragonfly-dynasty.hatenablog.com

dragonfly-dynasty.hatenablog.com

 

 試走なし&ぶっつけ本番で走ったこないだの『ふくしまシティハーフマラソン2023』ではけっこうエラい目に遭っているので、今回はしっかりと試走を重ねることに。ただ、約1年ぶりということで、最初の試走ではスタート地点直後の曲がり角を間違って左折したまま気がつけば……

「あれ?去年ここ走ったっけ?」

「確か春田大橋は……10kmのコースでは走らないハズ!」

「もぅいいや。この際、撮影会じゃ!」

「実は俺、ずっとこの橋、走りたかったんだよね!」(←自己暗示&自己欺瞞

 という軽めのハプニングや、練習後に訪れた入浴施設のサウナで元市民ランナーの方と話が弾み、電話番号を交換するという人見知りの僕にとって嬉しいサプライズもありました。

 ちなみに昨年のタイムは50分。大会1週間前の試走では51分。4日前の試走は50分。「まぁ、あとは当日の天気とこっちのコンディションだな」と3日前から休養に入り、前日は少しだけカーボローディングを意識する作戦に。

前日の昼食:海老天ぶっかけうどん(大)&温玉トッピング

前日の夕食:貝柱と干し椎茸のお出汁の季節外れのお雑煮

 そして、夕食後には先の元市民ランナーの方からの応援メッセージが。コンディショニングもモチベーションも上々でしたが……大会当日は昨年同様に雨

 

 去年は少し早めに会場入りしたおかげか、雨宿りできる場所をなんとか確保できたのですが、参加者も増えた今年はそんなスペースは皆無。傘を差しつつ「立ちっぱなしは良くないな」とコンビニ袋を敷いてとりあえず腰を下ろそうとしていたところ、僕の隣にも同じ境遇の方が。そして彼の履いていたシューズは……赤いミズノのウェーブライダー

 同じメーカーのシューズというだけで一方的に「この人は同胞だ!」と感じ、多めに持ってきたコンビニ袋を差し上げ、スタート40分前までずっと話し相手になっていただきました。結果的にこれが功を奏し、リラックスした状態でスタートを切れました。

 

 アップダウンが細かく切り替わる10kmのコースは、特にスタート直後に登りが続くためペースを安定させにくいのが厄介なポイントですが、試走のおかげか終始キロ5分を切るスピードを維持。

 登り坂の後の長い下りでペースを上げられなかった昨年の反省を活かし、下りは全てストライドを広げることを意識し続けました

 ラスト1kmを切ったあたりからスパートをかけ、そこからずっと抜けなかった先行集団約10名程を全て抜き去ってゴール!タイムは……48分32秒

 

 ゴール後、先のウェーブライダー(赤)の方とも合流したところ、彼もかなりの好タイムでフィニッシュ!

 一緒に駐車場まで歩きながら、後続のランナーに声援を送り、お互いの健闘を讃え合い、どこかの大会での再会を約束し、彼は会津若松、僕は郡山へと帰路についたのでした。

 

 

 

激走!ふくしまシティハーフマラソン2023

 昨年の円谷メモリアルマラソン&今年の郡山シティマラソン2大会連続でハーフマラソンのタイムが悪化していた僕にとって、今回の『ふくしまシティハーフマラソン2023』はランナーとしての起死回生をかけたレースでした。

 一方で「初開催である以上、多少のトラブルは避けられないし、小心者が気負ったところでロクな事はないんだから、楽しんで走ろう!」と、コースの下見&試走は一切行わず3日前に届いたばかりのシューズで本番に挑むという、これまでの“練習と準備を自信にする”というポリシーを敢えて放棄した実験的側面もありました。

ゴール後、最高の青空!

 結論から言えば、自己ベストよりも6分遅いものの、自身歴代第3位のタイムでゴールを切り、これまで参加した大会の中で一番気負わずに最後まで走れたレースとなりました。

 すべては大会関係者やスタッフ&ボランティアの方々、そしてこの大会で御一緒できたランナーの皆様のおかげです。ありがとうございました!

 

 以下、当日を時系列順にふりかえります。

 

 朝4時起床&4時半出発……福島市内の交通網を一部ストップさせる都合上、仕方がないのかもしれませんが、8:00スタートはキツいなぁ。次回はせめて9:00スタートでお願いします(涙)。

 ガラガラの高速道路を福島飯坂ICで降りて指定の駐車場へ。車を下りる直前まで練習で使用していたミズノのウエーブリベリオンソニックを履くか、それとも3日前に届いて2日前に3km試走したリベリオンフラッシュにするか、迷いに迷って後者をチョイス

 「お隣、失礼します」とシャトルバスで僕の隣に座られた年配のランナーの方は、いわき在住で前日車中泊とのこと。「僕は走り始めたのが56と遅くてねぇ」と穏やかな口調ながら、話をしているうちにウルトラマラソンまで走られるわ、フルのサブ4やハーフの100分切りは当たり前だわ、前日にコースの試走も兼ねて25kmも走るわという、とても71歳には見えない大先輩でした(汗)。

 雑誌やネットなどで、市民ランナーの所謂ガチ勢の中には常軌を逸した変態紳士級のバケモノの方がいらっしゃることは存じ上げておりましたが……ホントにいたよ。そんな彼から最後にかけていただいた「(僕のラン歴を踏まえ)まだまだ伸びしろがありますよ」というお言葉は、本当に励みになりました。

 バスを降りてから更衣室→荷物預かり所の動線は無駄なくスムーズだったものの、トイレ不足で大渋滞。僕の前に並んでいた方も、僕と同様ソックスもシューズもウェアもミズノだったので、勝手に「この人は同志だ!」と信じて「同じ様なミズノの格好で奇遇ですね」と話しかけてみると、彼は盛岡から前日泊で参加とのこと。シューズの話で盛り上がっただけでなくコースの起伏状況についても教えていただきました。

 スタート約30分前に所定の場所に集合とのことでしたが、ここからスタートまでが実に長く感じました。ビビりの僕を30分以上緊張状態で生殺しにするのは放置プレイというか一種の拷問です。ギリギリまでトイレに行きたいランナーもいれば、スタート前は誰だってけっこう神経質になりがちです。そのような状況で伝統芸能のパフォーマンスを実施してもマイナスにしか作用しません次回からは実際の走る人間の心情をより尊重していただけるような方向での改善を希望します

 

 出走直前、大会ゲストの増田明美さんが我々ランナーのすぐそばまで出向いてくださり、よく通る声で「みなさん、素敵な旅を!」と声をかけてくださいました。これが実に心に沁みるお言葉でした。気負うことなく、初開催の大会を、おにゅーのシューズと対話しながら走るという今回の大前提最高のタイミングで思い出すことができました。

 

 そして、いよいよスタート……だったのですが、ランナーが大渋滞するスタート直後のただでさえ広くない道路に何故か車が停車していて顰蹙を買っていました。あれはなんだったんだろう?

 個人的に苦手意識のある最初の5kmですが、初めて走るコースの様子を観察しながら周囲のランナーに引っ張ってもらい、必要以上に慎重になることなく快調な走り出しとなりました。

 誤算は高低差。パンフレットで一応把握はしていたものの「ふふっ、舐めてもらっちゃあ困る。こう見えて僕はラン歴3年弱の初挑戦の地獄坂で2時間を切った男だぜ」と高を括っていました。陸橋と市内の川をまたぐ橋のマイルド且つ長いアーチは、特に後半になればなるほど予想以上にこちらの体力と足にきます。

 17km前後のところで足がほぼ売り切れたような感じになり、これまでのスピードを維持することが難しくなる中、「ごめんよ、俺が不甲斐ないばかりに」とその性能を引き出せないことをおにゅーのシューズに詫びながら走り続けました。エイドが豊富だったそうですが、こちとら水とスポーツドリンクのみを補給するのがやっとでした。

 今回のコースは、ゴール地点の競技場の前で長めの折り返しがあるというのもなところ。スタート前の放置プレイに続くゴール前の焦らしプレイといったでしょうか。9時以降、気温も予想以上に上がり、ちょっとふらふらになりながらもトラックに入って一気にスプリントをかけ最後だけ華麗にゴール……のはずだったのですが、なんとそこからトラックをもう一周しなければならなかったのです。こればかりは僕の確認不足なので自己責任ですが「ふざけんな!もぅ走れねぇ!」がその時の心情でした。さっきのスプリントで残ったエネルギーを完全に振り絞ったものの、最終コーナーからもう一度スプリントを敢行!ずっと付かず離れず先頭を走っていたランナー数名を一気に全員抜いて、今度こそ本当にゴールです!!

 

測定ポイント スプリット ラップ 通過時刻
Start 00:00:35   08:00:35
5km 00:25:27 0:24:52 08:25:27
10km 00:51:18 0:25:51 08:51:19
15km 01:16:43 0:25:25 09:16:44
20km 01:43:42 0:26:59 09:43:42
Finish 01:48:45 0:05:03 09:48:45

 

 ゴール後、呼吸が落ち着くのに10分以上かかりました。地元の中学生ボランティアの少年が「汗だくだから」と辞退したにもかかわらず、ふらふらの僕のランナータグの回収を手伝ってくれました。

 どこかのカップルの方がゴール後にプロポーズされたそうで、そんな彼らを遠くから祝福した後、僕が向かったのはトラックの第3コーナー手前。自分が死ぬほど苦しんだ“トラックあともう一周”を、これからゴールへと向かって走ってゆく後続のランナーに手を叩きながら「ナイスラン!」「あともう少しです」と声掛けしました

 

 ゴール後、お土産の引き換えに並んだものの快晴の中の長蛇の列に耐えられずシャトルバスへ。指定駐車場で降りたところ、スタート前にトイレの列でお話しした盛岡からいらしたランナーの方とばったり。お互いの戦況を報告し「なんとか自信は取り戻せました」と伝えると、奇しくも彼からも「まだ伸びしろがあるってことですね」とのお言葉。どこかの大会での再会を約束し、それぞれの車に向かいました。

 

 初開催なので今後の改善点となる部分はいくつかありましたが、それでもやっぱり楽しかったし、結果も含めてかなり充実した大会でした。おかげで、ここ最近ちょっと気負いすぎて走っていたことも再認識。スタッフやボランティアの方もとても献身的でした。なので、駐車場を出る際、誘導していただいた方を勝手に代表ということにしてお礼を述べました。

 「ありがとうございました。来年も走りにきます!

 

 

2022-2023 B2:RSの振り返り&PO予想

 今回は、①今シーズンのB2リーグのレギュラーシーズンを大まかに振り返り、②本日(5月5日)より始まる『日本生命 B.LEAGUE B2 PLAYOFFS 2022-23』についての予想を、例の如く個人的見解(独断と偏見とも言う)に基づき展開していきたいと思います。

 

 まずはレギュラーシーズンの振り返りから。今シーズン開幕前の僕の予想と現実の結果を比較すると……

 

東地区(予想→結果)

1位 越谷(昇格)  →  A千葉

2位 A千葉(昇格)→  越谷

3位 西宮                 →  西宮

4位 福島(WC)    →  福島(WC)

5位 山形     →  青森(WC)

6位 青森     →  山形

7位 東京Z(降格) →  東京Z(降格)

 

 東地区に関しては、1位と2位&5位と6位が共に2ゲーム差で予想とは逆の結果となりましたが、素人の予想としてはなかなかの的中率、と自画自賛(笑)。

 破竹の勢いでB3を駆け上がってきたA千葉は、失礼ながら当初B2とのレベル差に多少苦戦すると予想していたのですが、レギュラーシーズンを通して勝負所でも動じずに接戦をものにする強豪レベルにチーム全体で進化した、という印象です。

 越谷については、各ポジションの層の厚みに加え、ベテランと若手のバランスが最も良いチームだと思いました。プレイオフでは、ベテランの勝負強さと若手の爆発力がどのような化学反応をもたらすか、個人的に一番注目しているチームです。

 西宮については、シーズンを通してなかなか戦力が整わない中、最後の最後に3位にまで順位を上げてきた森山HCの手腕に改めて脱帽です。福島の黎明期、限られた戦力を最大限活用して善戦してきた実績は、やはり本物でした。

 大型補強で下馬評の高かった福島は、開幕前に1位と予想する専門家の方もいらっしゃいましたが、とても残念なことに僕の悪い予想がほぼ全て的中した形となりました。多くは語りませんが、

  1. そもそもポジション編成が問題(特に日本人Fの実質的不在
  2. B2強豪でも主力になってきた機動力とフィジカルを兼ねた選手の不在
  3. シーズンを通してオフェンスの構築に失敗(得点が停滞する時間帯が多い)

 という問題点を、60試合を通して修正できないまま突入するプレイオフ。短期決戦でこれらが劇的に改善するかというと、それはちょっと….…。

 

西地区(予想→結果)

1位 長崎                    → 佐賀

2位 佐賀                    → 長崎

3位 熊本                    → 熊本

4位 香川(WC)       → 愛媛

5位 愛媛          →  福岡

6位 福岡          →  奈良

7位 奈良(B3降格) →  香川(降格)

 

 西地区についても、1位と2位が2ゲーム差で予想とは逆の結果でしたが、一番予想外だったのは香川の降格でした。昨シーズンのプレイオフの悔しさをバネにきっと這い上がってくるチームだと思っていたのですが。

 1位の佐賀については、シーズン終盤にかけてエースのガルシア選手を欠いた中で、むしろチームが更にステップアップしたという印象。

 2位の長崎は、レイオフで確実にもう一段階ギアを上げてくるようなタフな選手が多いこと、特にギブズ選手の経験値がどのように反映されていくのかが楽しみです。

 主力が大幅に入れ替わった熊本ですが、それでも3位につけてくるのは遠山HCの采配にもよるところが大きいと思われます。

 

そして、いよいよ始まるプレイオフですが……

B.LEAGUE公式HPより

準々決勝

  • A千葉(2)ー 青森(0)
  • 長崎 (2)ー 熊本(0)
  • 越谷 (2)ー 西宮(0)
  • 佐賀 (2)ー 福島(0)

 このシリーズは順当にホームチームのスウィープ。それくらいにアウェイチームとの戦力差は大きいものですが、波乱があるとすれば西宮に一矢報いる可能性が。

 福島が佐賀に対して唯一優位に立てるのは、エチェニケ選手&ハレルソン選手のインサイドなのですが、昨シーズンB1優勝を経験しているフィーラー選手が黙っているとは思えません

 また、ガルシア選手を止めるための有効手段が高橋選手の起用時間を増やくらいしか選択肢がなく、その場合オフェンスが停滞or機能不全に陥るので、ロースコア・ゲームに持ち込むしかないのですが、そうなると審判団の笛の吹き方への対応がチームとしてお世辞にも上手とは思えなかったレギュラーシーズンの様にジャッジまで敵に回しファウルが累積し、例の如く第3Q辺りから自らのターンオーバーなどミスを連発して一気に崩される展開が予想されます。

 冷静な分析と予想はこのくらいにして、僕個人の本音としては、それでもやっぱり勝って欲しい!短期決戦の中で、これまでになかったケミストリーが見たい!そして、昨年のプレイオフ敗退で悔しい思いをした選手たち……個人的には、橋本選手、長谷川選手、村上選手、そして山内選手があれから一年たったこのプレイオフでどの様なリベンジをコートで果たすのか、これらを胸に応援します!

 

準決勝

  • A千葉(2)ー 長崎(1)
  • 越谷 (2)ー 佐賀(1)

 予想が簡単だった準々決勝に対して、準決勝は自信がありません。強いて言えば、シーズン後半に増した勝負強さとチームの完成度から千葉を、選手層の厚さとセカンドチームやコーチ陣なども含めた総合力で越谷かな、と。

 

決勝

  • 越谷(2)ー A千葉(1)

 果たしてこのカードになるのかすら自信がありませんが、仮にこの組み合わせになった場合、チームとしてプレイオフの連戦&激戦を通しての伸びしろがより大きいと感じるのが越谷であること、そしてなによりも昨年宇都宮を率いてB1を制した安齋竜三氏がアドバイザーであることが決め手になるような気がします。

 

 3位は……佐賀かなぁ。

 

 

春の読書感想文:『街とその不確かな壁』を読んでみて

 今回は村上春樹氏の最新作『街とその不確かな壁』の読後の感想を述べていこうかなと思います。僕自身は発売日から実質2日で読み終えましたが、自分のなかでいろいろな考えが多少なり落ち着くのを待ってから振り返るのが適切な気がします。というのも、村上作品は読み終えた直後は言語化不可能な印象に強烈に圧倒されるものの、数日経つと「いったい自分は今まで何を読んでいたんだろう?」という、一種の空虚感しか残らないというケースが多々なので(よく“チューインガム”と揶揄される所以です)。結論から申し上げますと、今回もまさにそのパターンでした。

 また、発売から1週間以上過ぎましたが、今回は読後の感想なので、当然ネタバレを(一部)含みます。まだじっくりお読みになられているという現在完了進行形の方々は、失礼ながらここでお引き取り願えればと思います

 これから読んでみようかなと興味を持った方々(特に高校生〜大学生の若い世代)には一言。時間とお金と労力の無駄。それらを費やしてこれから読む価値は全くありません。他にもっと読むべき本はこの世にたくさんあります

 

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 たいへん失礼ながら、村上春樹氏は作家としての旬を既に過ぎ、そしてその到達点も当初の期待ほどは高いものでなく、特に前作『騎士団長殺し』以降は確実に下り坂をゆるやかに歩み始まったという印象でした(そして、これがおそらくノーベル文学賞を逃している大きな要因の一つかと)。

 さらに氏にとっての最大の不幸は、デビューからピークへと向かう過程で必要以上の誤解と批判を受け、ピークを過ぎた後になってから出版不況の救世主(※メシア、とお読みください)として掌を返すように担ぎ出されハルキストなる“村上春樹を読んでいる自分はどこか特別な人間”だと思いたい自意識過剰な、本来は読書を習慣としないフォロワーをマスコミが面白半分に取り上げる状況に陥ったことだと思われます。ここまで正当に評価されない作家文学史上、彼だけといってもいいと思います。

 このような背景もあって、僕の今作品に対する期待値はほぼゼロでした。多少なり今までとは違う境地が見られれば儲けもの、くらいの気持ちで本を開きましたが、冒頭の引用句からすでにユング集合的無意識を思わせるようなもので、「また井戸とかに潜り込む話だったら嫌だなぁ」と、微かに淡く残された期待値も小数点第三位くらいにまで一気に転落したまま物語の世界へと足と踏み入れました(そして、井戸じゃあないけど、やっぱり今回も潜って出てくるお話でした)。

 前作『騎士団長殺し』以上に今作品に対してはドライなスタンスで読み始めたことが一種の免疫として働き、期待値ほぼゼロのおかげて失望がっかり感といった読後のダメージを大幅に軽減することができました。今作もまた、There's nothing new at all.  目新しいものは皆無。そして前述した様に、読み終えて残るものも少なかった

 例によって、今回もいなくなった女性を探し求める話。そして、例によって"100%の女の子”と、"現実世界ではあり得ない喋り方をする女性”と、村上作品お馴染みのアイロンをかける僕と、別作品でも出てきた様なその他の限られた登場人物だけ。

 

 全三部構成の第一部を読んでいる時、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』と『ノルウェイの森』(どちらも僕の苦手な作品)を足した様な印象でした。そして、今作品は氏が約40年前に執筆したほぼ同名の作品をリメイクしたものだということを、読了後にネットの記事で知りました。御本人も認めているように、当時の氏には確かにこれだけの物語をまとめる力量はなかったと思われます。

 ただ、前作『騎士団長殺し』と同様、表現が均一化し、文体のリズムが単調物語がなかなか進まなく、『海辺のカフカ』を読んでいた様な「このストーリーはどこへと飛躍していくのだろう?」というワクワク感も起こりませんでした村上春樹作品の特徴の一つである唐突に始まる生々しい性的な描写が皆無だったのも今作の特徴だと思われます。

 期待は最初からしていなかったものの、やっぱり、今作品も同じ様なことの繰り返しで、どこにも行かなかった、行けなかった、行こうともしなかった……これが僕の結論であり、冒頭で“他にもっと読むべき本はこの世にたくさんあります”と述べた理由です。

 

 “74歳の老害作家”とレッテル張りされても、もはや擁護も弁解の余地がない作品でした。御本人もハルキストも時代遅れの閉鎖的な共同幻想の世界を共有すること、ただそれだけが目的になってしまっている何も生み出さなければ、もはやどこへも辿り着けない

 これを機に氏の現在の過大評価が相対化された上で、文芸界に新たな才能が登場することを願ってやみません。僕は時々夜空を見上げて新星を探りつつ、古典の世界へと還ります。

 

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