一応、初の‟皆勤賞”かな?
僕はどうも‟最大瞬間風速”と‟通常運転”の間に、マリアナ海溝よりも深い大きなギャップがあるらしく(=要はムラっ気があるということ)、生まれてこの方無遅刻無欠勤の類とはほぼ無縁な恥多き人生を送ってきました。
でも、昨日4月4日をもって、NHKラジオ講座『実践ビジネス英語』と『ラジオ英会話』の2020年度の放送を、とりあえずなんとか最後まで‟完走”することができました!
よくよく考えてみると、NHKのラジオ講座を1レッスンも聞き逃すorサボることなく1年間最後まで聴き続けたのは、恥ずかしながら初めてのことです。
‟完走”の要因は、2020年度4月からの学習スタイルの変更に他なりません。従来は移動中や移動先でも勉強できるようにと、iPhoneに毎月購入したオーディオブックを入れていたのですが......これが良くなかった。
「後からいつでも聴ける」は「二度と聴かない」と同義。「今日は授業の予習を優先して......」みたいな無意識的言い訳と「むしろ週末、まとめてしっかりと復習しよう」というprocrastinationの二重奏が織り成す‟結局やらなかった”の悪循環。
この呪いの鎖を断ち切るべく、2020年度はオーディオブックを一切購入せず、NHKラジオ第2の本放送の内容を翌週(1週間遅れて)聴ける『NHKゴガク』のアプリを利用しました。
このアプリの良いところ(&おっかないところ)は、毎週月曜日の午前10時に更新される点。つまり、1週間分のレッスンをまとめていつでもどこでも何度でも聴ける一方で、翌週のアップデート後には二度と聴けなくなってしまうのです。
この‟執行猶予1週間”は、怠惰な僕にとって建設的に作用しました。本放送の様な‟決められた時間帯での1日1レッスン”に縛られない緩さのおかげで、1日に2レッスン以上進めることもできるし、優先事項が他にある日は休むことできる。でも、毎週月曜の午前10時というデッドラインまでには、1週間分を聴き終えなければならない。
おかげで以前よりも計画性をもって1週間を過ごすことも学習できました。毎週日曜日に翌週1週間のスケジュールを眺め、どういったペースで進めていくかをメモし、できなかったりサボったらすぐに修正をかける。これが習慣化したことが、‟完走”のもう一つの要因だと思います。
振り返ると、けっこう危ない綱渡りの末の‟完走”でした。身が入らないまま聞き流す日もあったり、気がつくと夢の世界に誘われていたり、月曜日に早起きして出勤前に残ったレッスンを消化したり、タイトな講習期間はオーディオブックをポチりそうになったり。
......これらの反省点は、早速今日から修正していこうと思います!
思うに、‟やる時はやる”っていう自己陶酔系フレーズの危うさは、その表面的な響きのかっこよさ故、‟やらない時もある”という根本的問題が隠蔽されてしまう点かと。
そんな all or nothing のアプローチではなく、むしろ重要なのは‟ゼロの日をゼロにする”。つまり、たとえ望んだレベルで全てを完璧にこなすことができなくても、だからといって全てを投げ出さないことを、改めて学んでいこうと思います。
蛇足的recommendation
この時期になると聴きたくなるJ-pop5選
昨年の今頃はコロナについてまだまだ未知な部分が多く、桜を楽しむ余裕なんてほとんどなかったので、今年はそんな去年の分まで取り返したい今日この頃です!
......とはいえ、別にお花見には出かけません。ただ、平日の夕方に人気のなくなった近所の貯水池の外周の、オレンジ色の外灯に照らされた桜の下を自分の走りたいペースに任せて駆け抜けていくあの瞬間が、よくわからないけれどたまらなく好きです。
そして、‟去年の分まで桜を楽しんでやるぜキャンペーン”の一環と称して、これまで新年度や新生活が始まる節目節目で耳にした曲を、今年は積極的に聴いています(注:当ブログの執筆者は基本的にJ-popの類は聴かない&意識的に避ける人種であることを鑑みると、これは極めて稀な現象)。
そんな独断と偏見と尖った嗜好性と美学に満ち満ちたJ-pop5選を、個人史(黒歴史とも言う)を紐解きながら、御紹介させていただきたく思います。
1.「Diamonds」プリンセス プリンセス
中学入学後、トランペットの個人レッスン(※長続きしなかった)の帰り道、車内のラジオから流れてきた際、運転していた父(※この方も非J-pop愛好家)が「なかなかいい曲だな」と意外なコメント。「学校のお昼の放送で流れてたけど、なんか流行ってるみたい」と、当時会話はそれ以上発展しなかったのですが......。
その数年後、なんとその父がシングルを購入していたことが発覚(※これは今なお大澤家の珍事Best10の一つ)!
......さらにその数年後、いい感じで泥酔した父が「ダイアモンドだよ~」と歌詞を間違えたまま歌唱するという珍事件も(※This is a pen. がある種不条理な例文であるのと同様、「ダイアモンドだよ~」という文章が用いられるにふさわしい文脈や状況を僕は想像することが出来ません)。
2017年、市民ランナーとして初めて走った『円谷幸吉メモリアルマラソン』(10km)のスタート前、準備体操中に聴いていたのもこの曲でした。
2.「春咲小紅」矢野顕子
大学合格直後、見知らぬ土地でのアパート探しの帰り道、高速道路へつながる幹線道路で大渋滞。疲労とストレスが危険水域に達しそうになっていた父親と僕を救ってくれたのは、車内のラジオから流れてきた脱力感と躍動感が同居した不思議なこの曲。
ボーカルのトーンとグルーヴのギャップに、二人で「なんだこの曲は?」と思わず吹き出しました。一向に進まない車の列、片側4車線の無機質なアーチ橋から臨む川と雲の流れ、新生活に対する不安......あの時の情景とどこまでもことごとくミスマッチだった分、思い出に残る曲です。
3.「Shangri-La」電気グルーヴ
高校生のある時期から突然ハマった電気グルーヴ。オールナイトニッポンだけでなく彼らのインディーズ・アルバムまで手を出していた僕ですが、この曲のリリースは大学入学前後のドタバタと重なり、その存在を暫くは知りませんでした。
最初にどこかの有線で耳にした時には「電気がこんな綺麗な曲を作るはずない!」と信じらず、隣にいた友人に何度も「これ、ほんとに電気の曲?」と確認し、友人から「お前が知らなかった方が驚きだ」と言われたのもいい思い出。
一人暮らし&大学生活をスタートした当初は、毎日の密度が異様に濃い日々の連続で、今思えば入学前後から5月の連休明けくらいまでの‟密度”は、残りの大学生活すべてを足しても、それすら凌駕していたような気もします。
そんな感じで始まった新生活。確か4月末に大学の3号館の生協で初めてこの曲を耳にしました。その時は「せっかくメロディーラインが秀逸なんだから、もっとちゃんと音程がとれる人が歌えばいいのに。もったいない」くらいの印象で、この曲の良さを正しく認識できたのはそれからもう少し経った後でした。ちなみに、リリース日は前述の「Shangri-La」と同じだそうで......実はこの記事を書いてる今日知りました。それにしてもなんて偶然だ。
大学1年生の終盤から簡単な機材を使って作曲の真似事らしき稚拙な創作活動ごっこを始めたのですが、どうやら僕はリフや主旋律から作っていくタイプらしく、こんな風に詩とメロディーを構築することや、言葉から旋律を紡げることができるのは才能に他ならないなぁ、と今でも感じています。
最後に蛇足的アドバイス。浪人を経てから大学生活をスタートする場合、同じ大学1年生であっても現役合格の新入生との精神年齢に1年以上もの開きが感じられると思います。むしろ、感じられなかったらおかしい。この1年、迷い、悩み、必死でいろいろ考えた時間の蓄積は、客観的な1年以上の厚みがあって当然。
…...が、だからと言って1コ下に対して妙な優越感や呆れ、苛立ちなど感じる必要はありません。スタート時のアドバンテージは一過性。つまらない自己陶酔に浸っていたり、ぼーっと生きてれば、あっという間に‟貯金”は底をついてしまいます。
僕にとってとても幸運だったのは、アパートの隣人が1コ上の経済学部の浪人経験者で、とても面倒見の良い頼れる兄貴だったこと。そして、同じ哲学科に4コ上の社会人経験者の一見風変わりな男がいて、彼が学科唯一の親友且つライバル兼メンターだったこと。
二人の‟兄”に恵まれたことも、大学生活の財産です。皆様にも、どうか素敵なめぐり合わせがあらんことを。
2020年度を共に戦った生徒の皆様へ
昨今の状況下、郡山校の合格祝賀会も2年連続で開催できないまま明日から2021年度が始まります。相当に困難な2020年度を共に戦ってきた皆様に対して、お伝えしたいことは特にありませんが、強いて言えば一言。‟2020年度が生涯で一番努力した時期”とならないような時間の過ごし方を模索することが、これからの課題です。
大学は、自身の好奇心をとことん極めることが許される機会を提供してくれる数少ない場です。古今東西、常に一定数存在する「バイトやサークルでしか学べないことがある」と語る大人は、その機会に対して無知であったか、挑戦しなかった、もしくは活かせなかった人種。せっかくの機会ですので、一度は真剣に学問に挑むべきです。別に将来、学者や研究者になる必要性はありません。もちろんバイトやサークルも大いにチャレンジし、楽しむべきです。でも、それだけならいつでも、他の場所でも出来るし、それだけだと薄っぺらなまま。
……TVに出演するレベルの御用学者の言うことを鵜呑みにしてしまうような人間のままでいるのか、それとも自分自身に賭けて4月からの好奇心を極める4年間を存分に楽しむのか、決断は早い方が断然いい。
よって、卒業論文や卒業研究は、大学4年間をかけた‟夏休みの自由研究”と捉えるとわかりやすいかもしれません。僕もそうでしたが、最初から自身の興味・関心なんて自分でもわからないもの。また、いろいろ学ぶことによって自分が追い求めようとする事柄が違う方向にあることに気づくこともあります(……僕は大学2年生までは哲学よりも文化人類学が面白くて社会学部に転部を考えていたし、最後の半年は精神分析学や社会心理学の方が楽しかった)。むしろ、本気で学んで視野が広がることで当初と違うものが見えてくることの方が自然です。
そして、卒論や卒研のテーマは、自身の好奇心に従って徹底して局所的に、ニッチに絞り込むべきです。たとえ大学4年間をどのように過ごしても、研究者レベルの学業や成果・発見をたった4年弱で成し遂げることは不可能。であるならば、他の誰もやっていないような、極めて限定的な領域に一点突破をかける方が有意義です。
繰り返しますが、将来学者や研究者になる必要はありません。でも、4年間で学問の世界のどこか片隅に自分だけの何かを刻んでやる、爪痕くらいは残してやる、くらいの気概は持つべきです。
もちろん、僕にとっても‟2020年度が生涯で一番努力した時期”とならないような時間の過ごし方を模索することは、当然明日から始まる2021年度の課題です。
具体的には……授業の進め方に対していくつか微調整と修正・改善を検討中だし、英検とは別の検定試験の類にも1つか2つは挑戦する。再開の見通しはまだなくても、フルマラソンをサブ3.5(=3時間半以内で完走)できる準備は続けていくし、なんならサブ3も視野の片隅には入れておきたい。泳力検定も1級を取得して、英検1級と泳検1級、‟2つのえいけん1級を持つ漢”(※おとこ、とお読みください)になりたい。『実践ビジネス英語』や『ABC攻略ニュース英語』が終了するので、それに代わる自分の勉強法も探っていかなきゃだし、これらの挑戦と併せてこれからの人生設計も考え直す必要も出てきた。
やることはいっぱいあるけれども、ありがたいことにそのほとんどが、やらなきゃいけないことではなくて、やりたいこと&成し遂げたいこと。もちろん、これからもコロナに対してはきっちり警戒&対策を続けるけれども、‟それは俺の歩みを止める理由としては不十分”ということはもう学習済み。
……なので、僕も明日からまた自己ベストの更新に向けて走り出そうと思います。
さばとま!(鯖缶&プチトマトで作る太麺パスタ)
鯖缶を使ったお手軽料理のレシピは、それこそ山の様にネットに溢れていますが、今回はこの春から一人暮らし&自炊デビューを飾る皆様に、とっておきの簡単メニューを御紹介させていただきたく思います(そもそも青魚系が苦手な方には、ごめんなさいな内容となっております)。
材料
- パスタ(1人前):太麺をお勧めします!僕は2.2mmのものを使います。
- 鯖缶(1缶):普通に売っている180g前後の水煮のものでOK!間違っても味噌煮をチョイスしないよう御注意ください。
- オリーブオイル(大さじ1杯):できればエクストラヴァージンで。
- にんにく(1片):中国産は安いけれど香りが出ないので、国産のものを。
- プチトマト(3~5個くらい):普通のトマトだと水っぽくなるので、プチorミニトマトをお勧めします。
- 鷹の爪(1片):辛さ耐性が極端に低い方は、使用されなくても大丈夫です。
- パセリ(少々):イタリアン・パセリが入手できるようであればそちらを。
- コラトゥーラ(5cc前後):入手が難しい&お高いので、ナンプラーや醤油で代用もありです。
※太麺パスタは、大型スーパーや輸入食品を扱う雑貨店などで入手可能です。
※今後、本格的なパスタに挑戦したい方にはコラトゥーラはマスト・アイテム。
下準備(パスタを茹でるお湯が沸く前にやっておくこと)
- 鯖缶を開けておく。水煮の汁は旨味エキスが凝縮されたスープなので、絶対に捨てないこと。
- プチ・トマトは半分に切っておく。
- パセリは軽く水洗いしてから、キッチン・ペーパーで水気を取って、粗いみじん切りに。
- 鷹の爪は調理ばさみで切り開いたら、中の種を取っておく。
- にんにくはみじん切りに(香りが弱いものから強いものへと切る順番を事前に組み立てておくことも料理の基本です)。
パスタの茹で上がり5分前から
- オリーブ・オイル大さじ1をフライパンに投入したら、フライパンを傾け、オリーブ・オイルのプールににんにくを入れて弱火で温め、にんにくの香りをじっくり引き出す。
- にんにくの周辺に小さな泡がぷくぷく出てきたら、鷹の爪をオリーブ・オイルのプールに投入し、1分前後温める。
- フライパンを普通のポジションに戻し、中火に火力を上げてから鯖缶を汁ごと投入。軽く炒めながら身をほぐします。
- あまり汁気が飛ばないうちにプチ・トマトを入れ、最後にコラトゥーラもしくはナンプラー(or醤油)を投入。コラトゥーラの類は種類によって塩気がまちまちなので、少量を投入後、味見をしながら調整が必要です。
- パスタは規定の時間で茹でた後、トングなどで引き揚げて直接フライパンに投入します。ザルにあげて水切りをする必要はありません。フライパン内でソースと麺を絡めながら、水分が足りない場合は茹で汁を追加。
- お皿に盛り付けたら、みじん切りにしたパセリを散らします。黒胡椒はお好みで。
料理の上達方法は、同じ料理を2日続けて作ること。一人暮らし&自炊だと食材の管理が難しいので必然的にそうなってしまいがちですが、初日の反省を意識しながら翌日修正をかけることで、嫌でも腕は上がります!
勉強とか趣味と同様、上手くなっていく自分を発見し、その過程を楽しむことが秘訣です!
新生活スタート直前!推薦図書3選
今回はいつにも増して独断と偏見と趣味と美学に満ち満ち満ちた内容となりますことを最初にお断りさせていただきます。
そもそも読書の好みなぞ十人十色、蓼食う虫も好き好きの最たるもの。‟推薦図書3選”とありますが、最初の数ページ本気で読んでみて感性に響くものがなければ、無理に読む必要も義務もありません。趣味で読む本は「(読むか読まないかは)俺様がルール!」くらいの気持ち選ぶべきだと思います。
ただ、これから本格的な学問の世界へと足を踏み入れようとしている皆様へ敢えて苦言を呈するならば、人に勧められて本を読んでいるようなレベルは夏休みまでにお早めに御卒業ください。
人生の中で何らかの必然もしくは運命に導かれるように、本能の赴くまま本を貪る時期があった人間は、そうでなかった人とやっぱり違うものです。
今回の推薦図書の選考基準は、とてもシンプル。
- 僕が大学入学前に読んでおいてよかったと思えるもの
- これを大学生活スタート前に読んでおけばと思ったもの
- 在学中に読んでおいてよかったと思えたもの
以上の順に従ってご紹介していきます。どうしても新男子大学生向けという側面が強く出てしまっている点はご了承ください。
まずはこちらから。浪人中にハード・カバー版の挿絵の淡いタッチに魅かれ、半ばジャケ買いのような形で出会った本です。Ⅱから読んでも全く問題ありません。
また、Ⅰはジブリ作品にもなっています(ドラマ化もされたそうですが、そちらは良く存じ上げません)。
‟人は一度しか生きられないが、読書を通して他の人生も経験することで豊かに生きることはできる”みたいな格言は知っていました。それが身に染みて理解できたのが大学生の時。
今思えば僕にとってこの本は一種のワクチンで、‟免疫”を獲得していたため、ややこしく且つ困難な重要局面で、‟ほぼ最善”と今でも思えるような言動を、落ち着いてとることができました。読書はある意味、究極のケース・スタディ!
次にご紹介するのは、「ゼリーは食べる宝石です!」の名言でお馴染みの羽海野チカ先生の漫画です。連載中の『3月のライオン』もおすすめですが、あの作品の完成度に至るまでの過程と葛藤と熱量が、痛いくらいに伝わってきます。
こちらも映画化されたそうですが、そちらは良くわかりません。個人的には竹本くんがママチャリで放浪するところが特に好きです(流石に北海道までは行かなかったけれど、深夜に突然チャリに乗って徘徊する夜は僕にも何回かありました)。
‟自分探し”なる言葉がございますが、探しているその主体もまた自分である、という自戒のもと、大学在学中に是非一度は思い切り迷走してみてはいかがでしょうか。
最後にご紹介するのは、現代アメリカ文学の巨匠、ポール・オースターの自伝的(?)小説です。
大学3年生の時に妹に勧められ、3日3晩かけてじっくり読んだ本です(ちなみに妹は一晩で読んだらしい)。最初の方にある、卵が割れてしまうシーンの描写は秀逸。そこにぐっときた人は最後までお読みください。
個人的なアドバイスですが、「大学生になったし、ちょっと文学でも読んでみようかな?」と考えている方は、村上春樹作品よりも先にこういうレベルの本を翻訳版でいいので読んでおくべきです。
敢えて比喩を用いますが、本物の蟹を食べた上で、「カニかまも好き!」はアリだと思います。でも、本物の蟹を食せずに「カニかま=蟹」とするのはいかがなものかと。
そして、所謂‟ハルキスト”と呼称される自意識過剰を持て余して収集のつかなくなってしまった一部の読者がメディアによる偏向的スポット・ライトに晒されるケースが多いのは残念です。
......僕はオースターが好きだし、村上作品も読みます。そして、大学は蟹を食べる場所です。美味しい蟹を、たくさん召し上がってください。
入学式の前こそ、あの伝説の卒業記念講演を!
僕の大学の入学式は確か4月上旬に日本武道館で行われ、ハード・ロック大好きっこの当時は「ここでDEEP PURPLEがあの演奏をしたのかぁ~!」と一人思いをはせたものでした。(もちろん名盤『Live in Japan』の半分以上が大阪収録ということは知っていましたが)。
ライヴ・イン・ジャパン (ディープ・パープルのアルバム) - Wikipedia
Deep Purple - Made In Japan // BEST VERSION EVER! RARE!! HD Gold disc DCC GZS-1120 (1972)
なんとか念願叶っての哲学科入学に、どうやら期待値が勝手にインフレーションを起こしていたらしく、(2階席だったせいか)よく聞こえない式辞、誰も歌わない校歌、話も聞かず携帯いじっているその他の新入生、鳴りやまない砲火、泣き叫ぶ子どもたち、怯える老女(注:後半は嘘)にえら~く幻滅し、「なんだよ!せっかくがんばって入学したのに」と、帰り道の参道に舞い散る桜に心理的なとどめを刺され、翌日風邪までひいてしまう、それはそれは残念な一日になってしまいました(この時の反省を踏まえ、僕は全体の卒業式は参加せず、ずっと恩師と研究室でお話をしてから、学科別の式にだけ参加しました)。
まぁ、僕の黒歴史はどうでもいいのですが、これから新しいスタートを切ろうとしている皆様には、僕よりはもぅすこしマシな、ちょっと身の引き締まる門出を迎えて欲しいと切に願っています。
という訳で、今回ご紹介させていただくのは、Appleの創始者の一人、故Steve Jobs氏が、2005年のスタンフォード大学の卒業式で行った伝説的スピーチです!
大学の卒業式の式辞ですが、むしろ入学式というタイミングでこそ心に刻むべき深い示唆に満ちた内容だと確信しています。
スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版
最後の‟Stay hungry. Stay foolish.”で思い出すのは、昔のある生徒の言動です。超名門大学合格に浮かれまくる周囲や、新聞社の取材、手の平を返したように猫撫で声で接してくる大人たちに怒り心頭だった彼は、そのやり場のない気持ちを僕に打ち明けてくれました。
「〇〇大合格だからって、なんだっていうんですか!僕はまだ何も成し遂げていない、ただの18のガキですよ!」
彼が最高にカッコよかったのは、「授業スタート前の第2外国語の独学は楽しい!」という僕のアドバイスを覚えていてくれて、合格発表の帰り道に(第2外国語選択の正式決定とは無関係に)フランス語の辞書と文法書を買ってから挨拶に来てくれたことです。......まさに、‟Stay hungry. Stay foolish.”
杉田敏先生、お疲れ様でした。
先日、母からNHKラジオ講座『実践ビジネス英語』の今年度の終了を知り、その事実を受け止めるのにたっぷり数日を要したのですが、最後のテキストを購入して勉強を進めるうちに、改めて「本当に終わってしまうんだ......」と、まだ信じられない気持ちがぶり返す今日この頃です。
1987年からスタートし、計33年間に及んだこのNHKの最長寿語学番組を僕が聴き始めたのは2010年度の最後の方からでした。
当時、一応授業はそれらしくできるようになってきたものの、自分の英語の力にまだまだ満足できずに葛藤していたところ、母から強く勧められてチャレンジしたのがきっかけでした。
始めたばかりの頃は、会話がとんでもなく速く感じられ、それまであまり触れていなかった高度な語彙や専門用語&慣用表現などにもついていくのがやっとでした。テーマによっては全く歯が立たなかった回もあったと記憶しています。
もちろん、何度も投げ出そうと思いましたが、本能的に「ここが俺の分水嶺!」と感じ、意地で続けました。今振り返ると、あの時こそが単なる受験屋レベルで終始してしまうのか、それとも英語講師としての一歩を踏み出すのかを決定する大きな分岐点でした。
2010年度末、自分の英語力だけでなく、自分の勉強のレベルの低さに対する怒りと不満に駆り立てられた僕は、この『実践ビジネス英語』に必死で食らいつき、現在もお世話になっている英会話教室のドアを衝動的に叩き、そしてその夏に勢いに任せてNYを訪れました。これら全ては必然であり、全てこのタイミングで起きていなければならなかったと今では確信しています。
活きた英語を通して最先端のテーマに触れ、啓かれたことで、英検1級が取得できたばかりでなく、毎年最新の入試問題を分野を選り好みせずに扱い続けることができるようになりました。
今後は年4回、ムックという形で上記の教材が刊行されるそうです。もちろん、これからもお世話になりますが、杉田先生、長い間お疲れ様でした。感謝の気持ちでいっぱいです。
最終号となる3月号テキストの『はじめに』で、番組終了に言及しているのは最後のたった5行のみ。杉田先生らしいな、と感じました。その最後はこう締めくくられています。
今後、放送はなくなりますが、勉強はお続けください。さようなら。
この1文を読んだ時、自分がこの講座に対して如何に無意識に依存していたかに気づきました。「これさえ聴いておけば大丈夫!」という部分がいつの間にか大きくなり過ぎていて、僕自身の歩みはひどく緩慢なものになっていました。
これからは、自分で学び、勉強する時間も意識して増やしていかなければ。この終了を新しいきっかけにしていこうと思います!