大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

この機に‟10時間の壁”を超えよう!

郡山校宇都宮校の生徒の皆様、こんにちは!

英語科大澤 秋津(グミ大好き!HARIBO最高!)です。

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お家時間充実の秘訣:豆を挽いて丁寧にコーヒーを淹れる

 連日、自宅学習の具体的なアドバイスの記事が続いたので、今日は生活面でのヒントなどをお届けいたします。

 

 先週休校の決定を受けた時、僕なりに思うところはいろいろありましたが、その一つは「せっかく一週間やって生徒が疲れてきたのに~!」です。

 例年、本科生は前期開講から最初の一週間、それはそれはとてもいい集中力で授業に参加してくれます。緊張感からです。そして一週間が過ぎる頃に、流石に張り詰めていたものも少し緩み、高校と違い全部受験科目の時間割に疲れが見え始めます。第2週目からはいろいろな小テストがスタートするので、ただでさえいっぱいいっぱいの予習&復習を回すことが難しくなってきます。そして、連休前後に模試の復習が加わり、天候の不安定さがダメ押しとなる5月上~中旬、みんなの目はいったん陸に打ち上げられた魚のように活力を失います。

 でも、これは全て必要なプロセスなのです。この過程を経て、慣れて、適応することがある意味で本当の受験生となる通過儀礼だったりします。ちょうど体育会系の部活の走り込みに入部したばかりの頃はついていけなくて毎日死にかけることで、いつの間にかスタミナがついて、キツい練習量もなんとかこなせるようになるのと同じです。(で、次の年に「今年の1年は体力ねぇなぁ」とか言っちゃってたりする自分がいる。)

 敢えてドSな表現をするならば、先週の木曜日の宇都宮校と金曜日に郡山校でやった授業で、少し疲労の表情がうかがえ始めたのは計算通りでした。そして、ここから心を鬼にして授業ペースをアップし、負荷を段階的に上げることで受験勉強に対する耐性をつけてもらうことが講師の使命であり、これが例年のシナリオだったのです。

 

 高校生であれ本科生であれ、通常、夏期講習期間中は毎日10時間以上勉強できなければなりません。でも、勉強の習慣が弱いまま、いきなり10時間以上に切り替えることは不可能です。

 かつてこういう生徒がいました。それまでの家庭学習時間がほぼゼロだった彼は高3の夏休み初日、一念発起して開館前15分前から図書館に並び、閉館までひたすら勉強して帰宅した後、かつてない長さで勉強している状況が楽しくなってしまい、最長記録を更新するノリで夜遅くまで続け、最終的にその日は約11時間以上を記録しました。そして翌日から、彼は原因不明の頭痛と強い倦怠感から2日間寝込みます。これでは3日で11時間しかできなかったのと同義なのです。

 勘の良い人は途中から気づいたかもしれません。これが僕の高3の時の実体験です。キツいのは身をもって知っています。だからこそ強調したい。学習時間こと受験スタミナは段階的にしか強化できません

 

 先の部活の喩えと僕の具体例から導けるのは、自分で自分を追い込むよりも、他の誰かに無理やり引っ張ってもらった方が結果的には楽、という結論ではないでしょうか。でも、こうなった以上、例年夏休みの前半をかけてチャレンジする学習時間10時間突破を、この休校期間中に達成すべきです。約2週間あれば段階的に10時間まで増やすことは難しくありません。コツは、‟自分がキツいなと感じたところからは毎日30分刻みでのばしていく”ことです。

 

 マラソンにも ‟30kmの壁”と言われるものが存在します。30km前後から突然身体が重くなり、気持ちは「まだやれる!」と思っていても脚が上がらなくなる状態が来るのです。ハーフマラソンのレースを2つ走って、1時間42分という当時ラン歴2年弱にしては悪くないタイムを出した僕は、フルマラソン挑戦を決意します。白状すると最初は「‟30kmの壁”?まぁ、俺には関係ないね」完全に舐めてました。でも、いきなり走行距離をのばそうとしたところ、27km以降どうやっても脚が動かせなくなり、残りの約5km、自宅までとてもみじめな気持ちでとぼとぼ歩いて帰りました。学習時間と同じです。その時点での限界からは少しずつ段階的に負荷をかけることでしか先へは進めません。フルマラソンの準備には市民ランナーでも3か月は必要です。自分の限界点から、その都度1kmずつ走行距離をのばし続けて適応するしかないのです。‟覚醒!→限界突破!”の中二病的展開は魅力的ですが、実際の限界突破は‟後になって気づいたら出来るようになっていた”という形で訪れます

 

 部活にして習い事にしても、これまで‟限界突破”の経験がある人にはわかるかもしれませんが、自分を超えていくと見える景色や世界の見え方が変わっていきます。受験勉強を通して、一人でも多くの生徒にこの至上の喜びを体験して欲しいと願っています。そして、受験勉強は自分を変える絶好のチャンスだということを時々思い出して欲しい。

 

 今秋の『みやぎ・東北復興マラソン』の開催の可否はわかりませんが、エントリーの際に一言メッセージの登録を求められ、少し迷ってから僕は‟42.195km先の自分に会いに行く!”と記しました。