大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

相川七瀬『Nostalgia』の謎に迫る

 はじめにお断りさせていただくと、当ブログの執筆者は基本的にJ-POPの類はほとんど全く聴かない人種です。音楽については雑食性甚だしい限りですが、基本は洋楽寄りの人間です。このブログで好きな音楽について紹介するならば、最初は絶対にThe Alan Parsons Projectと固く心に決めていました。

 でも、先週から僕の中で突如相川七瀬リバイバルブーム”何の脈絡も予兆もなく到来し、その勢いだけでiTunesでベストアルバム『Rock or Die』を購入後、表題の曲『Nostalgia』だけを毎日憑りつかれたように聴いているという症状がもう1週間以上も続いているので、お医者さんにかかる前にちょっと自己分析してみたいと思います。

 

 ‟無名の新人を織田哲郎がプロデュース”という話題性をきっかけに1990年代後半に日本の音楽シーンを一気に席巻した相川七瀬

 一方、当時もJ-POPやヒット曲とはほぼ無縁の僕は、学科の二次会のカラオケで女の子が歌う代表曲で間接的に知ったり、毎週末に友人宅で見ていた深夜番組のランキングで断片的に耳にする程度。強いて言えば、初期の『夢見る少女じゃいられない』『恋心』よりも、もう少し後に発表された『Sweet Emotion』『SEVEN SEAS』の方がいいかな、と思う程度でした。

 そんな大学時代のある日のどこかで(記憶にございませんが、多分どこかの店内の有線だと思う)、この『Nostalgia』をふと耳にしたのですが、特に疾走感溢れるサビの部分が強く印象に残りました。

 

 いかにも90年代らしいPV、そしてキーボードのアレンジがちょっと商業的過ぎる気もしなくはないのですが、 1:06~のサビまでの持っていき方は秀逸です!

 

 

 僕は普段コメントの類まではチェックしないのですが、多くの方々が相川七瀬の曲の中でこれが一番!」という感想を述べてられており、思わず内心「おぉ!同志よ!」と嬉しくなってしまいました。

 

 間違いなく声や歌い方は相川七瀬なのに、まったくもって彼女の曲らしくないことがとにかく不思議で「何故この曲だけが他と一線を画しているのか?」ずっと気になっていました。

  他の曲と聞き比べてみてもやはり異彩を放っています。特筆すべきはそのさわやかな旋律やキャッチーなメロディーとは全く逆ベクトルの後ろ向きの歌詞。所謂‟Aメロ”の段階から歌詞の内容だけは80年代の中島みゆきに匹敵する暗さです。一言でいえば、疾走感と喪失感が半ば強引に同居している、そんな‟ギャップ萌え”の要素がクセになる原因なのかもしれません。

 

 ……そしてYouTubeの関連画像に上がっていたこの動画で、長きに渡り僕の感じていた謎が全て解明されました! 

 

 

 ……最初から完全に狙っていたんですね!非常に納得です。何も言うことはありません!(元・素人ギタリストの僕としては、リフがハム、サビのバッキングがシングルかなと漠然と意識はしていたのですが、ストラトがメインというのも意外でした。)

 

 僕には数年に一度くらいの割合で、‟J-POPの見逃していた名曲発掘ブーム”が到来するのですが、今年度はこの『Nostalgia』が個人的リバイバルヒット暫定1位です。