大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

2020.11.8 福島ファイヤーボンズ vs 仙台89ERS

 仙台89ERSB2東地区の上位常連チーム優勝候補の一角。昨シーズンから主力メンバーが変わらない完成度の高いチームに対し、この2連戦は今後の試金石とも言える大きな意味を持つ……と素人ながら勝手に判断し、お仕事の都合を何とかつけて8日の仙台戦を観戦してまいりました!

 今シーズン、いわきで開催されるファイヤーボンズの試合はこの11月7&8日の二日間だけだそうです。いわき市立総合体育館は初めてなのに「なんだか見たことのある風景だな」と思っていたら……『いわきサンシャインマラソンのスタート会場で、一度下見に来たこともあるいわき市営いわき陸上競技の隣でした。

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全体が把握できる2階席前列がお気に入り

 ファイヤーボンズの応援を重ねるうちに、試合そのものだけでなくアップを見るのも楽しみになってきました。この日は、ラックまで走って真っ先にボールを取りに行く喜久山選手、レンジを少しずつ広げながらシュートタッチを慎重に確認するシャヒード選手、あらゆるフィジカル・コンタクトを想定したドリルを楽しそうに行う村上選手神原選手が特に印象的でした。

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ティップ・オフの時は毎回緊張します。

 第1Qから仙台の完成度の高さには圧倒されました。5番のダニエル・ミラー選手がアシストにも秀でていることは選手名鑑や事前のスタッツ分析から把握していましたが、ベテランPGの8番月野雅人選手とのピック&ロールや、時にフリー・スローライン手前でゴールを背にパスを供給するプレイは、インサイドとアウトサイドに2人PGがいるような感じがしました。仙台は堅守が持ち味のチームということも予習していたのですが、いきなり強烈なブロックが2つも炸裂した時には「今日はインサイドからの得点は相当難しいかも……」と嫌な予感が(……結局、的中してしまいましたが)。

 

 第2Qは我々ブースターにとっても我慢と試練のクォーターでした。得点が停滞する中で、村上選手が2連続でスリーを決め、何とか主導権を取り戻そうという流れの中で不可解な笛が立て続けに吹かれたことが残念でなりません。この日はインサイドだけでなくバック・コートも、それこそボール運びの段階からフィジカル・コンタクトが終始激しいタフなゲームでしたが、1プレイごとに、そして審判ごとに笛を吹く基準が異なるため、(流石に声を荒げる方はいませんでしたが)周囲のブースターもザワついていました。

 ……時間帯によって線引きが変わるのは承知しております。極端な話、バスケットボールはそういう側面を持った競技だと認識しています。ただ、各審判間でその時間帯でのジャッジの基準について意思疎通&統一がされていたか、そしてそれを選手やコーチ陣に対して明確に説明していたかについて疑問が残りました。コート上でどんな言葉がやりとりされていたかについてはわかりません。でも、いきなり選手やHCにテクニカル・ファウルを吹く姿は感情的で、自分のジャッジに自信がないことの裏返しのように映りました。この一連のジャッジが納得できずに席を立たれた方もいます。Bリーグや日本のバスケのレベルがこういった側面からも、もっと成熟していくことを願ってやみません。

 

 第2Qで特に活躍が光ったのは仙台の15番、渡辺翔太選手でした。スピード&クイックネスはあの日のコート上で一番だったのでは。まだ22歳と若く将来が楽しみな選手ですが、彼のドライブでボンズのディフェンスがズタズタにされていくのは見ていて辛かったです。また、18番の鎌田裕也選手スクリーンパス中継をきっちりこなしていたように、仙台は戦術の引き出しの多さパスのスピードと精度に加え、それぞれのロール・プレイヤーの役割分担とレベルの高さも光るチームだと感じました。

 

 フラストレーションの募る試合展開で19対34と前半を終えたにもかかわらず、後半の第3Q以降の選手&スタッフ陣が最後まで集中を切らさずに食い下がろうとする姿、そして最後まで必死に応援するブースターの方々の一体感の中に自分も加われたことを誇りに思います

 

 2013-2014シーズンの終盤、NYMSGニックスvsウォリアーズの試合を観る機会があったのですが、第3Q途中でカリーがトリプル・ダブルを達成して勝敗が決すると、観客がいっせいに立ち上がって ‟ Fire! Woodson! ” のコールを始めたことを思い出しました。いかにもニューヨーカーらしい行動で、当時のニックスの首脳陣の迷走ぶりも酷いものでしたが、本当にチームを応援するファンなら試合の途中で地元チームの監督の解雇を要求するものなのかな、とも思いました。

 

 第4Qの残り8分辺りまではわずかながら勝算が残っていたのですが、それ以降もコート上の選手も、そして僕を含めた周囲のブースターも、プレイに、そして声が出せない代わりに叩く手の強さに、その熱量が変わることはありませんでした

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最後までお疲れさまでした。

 評判&想像以上に仙台はいいチームでした。その仙台を相手に前日7日の試合に勝利し、この日も最後まで善戦したファイヤーボンズこれからチームとしての完成度を上げていったらば……。負けた悔しさだけでなく、そんな期待も強く残った一日でした。