大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

2020.11.22 福島ファイヤーボンズvsバンビシャス奈良

 昨日の敗戦からバンビシャス奈良は何をどう修正してくるのか?開始からタイトなディフェンスを仕掛けてくることが予想される今日のゲーム。試合前のアップは、そんなバンビシャス奈良の選手たちにも注目してみました。

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要注意のラキーム・ジャクソン選手(コート一番手前)

 不気味なのはレフティラキーム選手の3Pシュート。練習とはいえ入りまくるので(しかもそのほとんどがスウィッシュ!)、「これが本番でも決まり出すとちょっとヤバいかも……」と警戒(……結局、本番では0/4でしたが)。

 昨日はかなりの点差がついてしまったにもかかわらず、奈良の選手たちの円陣を組んでの掛け声が終始大きく響いていたことも印象的でした。

 

 昨日同様、第1Q序盤からチリジ選手がインサイドを圧倒。しかも今日は開始からダンクを連発(この日はなんと計6発!)。流石に昨日程は3Pは入らないもののスタートは比較的順調でしたが……奈良はやはりディフェンスを修正してきており、今日は特にボール運びの段階で苦戦するシーンが。ボンズいつもより早い段階で村上選手を投入してすぐに主導権を取り返すというコーチ陣たちの駆け引きも白熱した展開に。

 注目のラキーム選手ですが、ボール運びに加え3Pラインの手前でパスを供給することでエリック選手を外まで引きずり出し、そこからゴール下にスペースが生じるケースが何回かあったので、これが続くと嫌だなと思いました。

 

 第2Qで活躍が光ったのは奈良の88番の木村啓太郎選手でした。昨日は後半ややヒート・アップされている印象を受けましたが、この日はチームを落ち着かせながら冷静にゲームをコントロールするクールな姿。

 昨日同様、54番のショーン・オマラ選手も試合を通じて安定した活躍でした。特にゴールを背にした状態からのスピンが異様に速く、そこから得点するパターンにかなりやられました。

 このQの約半分の段階でボンズのチーム・ファウルが5つに達してしまったことに加え、奈良のディフェンスが昨日とは違いハーフ・コートのかなり高い位置からプレッシャーをかけてくることが原因で得点が停滞しかけましたが、この日のボンズはいつも以上に選手交代のタイミングが早く機能不全に陥ったポジションはすぐに別な選手で打開するという対応が見事でした。それでもオフェンスでボールが止まる機会は増え、流れが奈良に傾きかけたところで前半終了。35-34、リードはたったの1点。

 

 第3Qも序盤は奈良のディフェンスに苦しみますが、これを打開したのが菅野選手のボールを持たない時の動きでした。3Pが武器の彼が全力で走り回ることで相手のマークマンが対応に追われ、結果他の選手にパスが通りやすくなり、オフェンスが機能するという変化を生み出しました。さらに神原選手の見事なボール・ハンドリングからのパスや(この日はチーム最多の6アシスト&4スティール!)や、鈴木選手選手のドライブや個人技で、振り返るとこのQの後半で今日の勝負の流れが決定したと思います。

 最初にこのホームで観戦した時から、僕はボンズ大きな可能性を感じていましたが、それでも「こんなにいいチームだったのか?」と思ってしまうくらい、各選手&チームのポテンシャルが余すことなく発揮された瞬間だったと思います。

 

 最終Q、何度か流れが傾きかける場面もありましたが、このチームの武器の一つである‟全員バスケ”を貫き、92-65で勝利!昨日よりもタフなゲームで3Pの確率も下がったにもかかわらず、オフェンスのレベルを維持した以上に、昨日よりも失点を抑えたことが驚きでした。

 僕がこれまで生で観戦したホームのゲームの中で、今日の試合は間違いなくベスト・ゲームです。でも今季のボンズは、本当に毎試合確実に上昇しているので、近いうちこの個人的ベスト・ゲームは更新されると確信しています。

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試合が終わっても見事なキャプテンシー

 試合後のMVP表彰、僕は間違いなくチリジ選手だと予想していました。選ばれた菅野選手が記念撮影の際、そのチリジ選手を招き両選手ともに最高の笑顔で2ショット。そして、その後のインタヴューの森山HC「僕自身がこのチームをコーチしていてることを一番楽しんでいる」という言葉が強く印象に残る一日でした。

 

 今日の試合に先立って、遅ればせながら家人と共にパープル会員の登録をして参りました(「これだけ熱心に応援しておきながら、まだ会員登録もしてなかったのか?しかもパープル?これだから‟にわか”は!」と古参のブースターの方々に怒られそうですが、コート全体が見渡せる2F中央前列付近の魅力は捨てがたいのです)。

 会員登録の手続きを終えた後、運営サイドの重役と思われる方とお話をする機会がありました。コロナ禍のために中止となった今年2月の『いわきサンシャインマラソンにエントリーした市民ランナーに対し、急遽ボンズはレース用のゼッケンを提示すればホーム開催の試合に無料招待という機会を提供してくれました。2年連続の中止、しかも通算3大会連続でフルマラソン・デビューが阻まれ、流石にどうしようもなく気落ちしていた僕は「少しでも気が紛れるならば」と存在だけは知っていた地元のプロ・スポーツチームの生の試合を観戦し……そして今日に至る訳です。

 聞くところによれば、無料招待はいわき市との交渉も含めてかなり急な企画だったそうです。でも、その機会がなければ僕はボンズのことを一切知らないままでした。その機会を与えてくださったお礼を、いつか直接、運営されている方に伝えたいという強い願いを、ついに今日叶えることができました。僕にとっては、これが会員登録の最後の手続きだったと思っています。