大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

2020.12.9 福島ファイヤーボンズvs群馬クレインサンダーズ

 現在B2リーグ単独首位の群馬は、チームの13名中8名が新加入(しかもほとんどがB1からという反則級)の超大型補強連勝街道を爆走中。一方、福島は茨城戦で連敗を喫するも、次の愛媛戦はきっちり立て直し連勝。……ただ、vs茨城の第2戦は大差から同点に追いついた後31点も引き離されるという嫌な負け方をしているので、強豪相手の今日の試合は前日からずっと‟楽しみ”と‟不安”のアンビバレントな二重奏でした。

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この3人が同時にコートに立つなんて……悪夢だ!

 

 本日の僕なりの観戦ポイントは、以下の3点!

  1. 帰化したマイケル・パーカー選手を含めるとコートに最大3人の外国人選手を出せる群馬は、当然外国人vs日本人のミスマッチを突いてくることが予想されるので、そこをどのようにディフェンスもしくはカバーするのか?
  2. 最近の福島の試合に多い第2&3Qの得点の停滞する我慢の時間帯。これまでは主に村上選手が打開していたこの局面ですが、ここ最近彼の調子は今一つなので、そこをどうするのか?
  3. 外国人フロント・コートが主力の群馬に対し、バック・コートの日本人対決ならば福島にも分があるので、ベンチ・スタートの選手も含め一試合を通してディフェンスの強度と3Pの成功率を保てるか

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まさかこの試合、あんな展開になるとは……

 第1Q、まずはチリジ選手インサイドを圧倒。ここ最近の彼の安定感&存在感はまさにボンズの屋台骨。群馬は今のチームになってまだ日が浅いにもかかわらず、パスが良く回り、堅実な試合の入り方。……このチーム、完成度がさらに上がったら手が付けられないな、と一抹の不安が。また、群馬のベンチが開始から積極的に声を出してくるアグレッシブな姿勢にも、これまでの対戦相手とは違うなという印象を受けました。

 第2Qで特に活躍が目立ったのは外も中も打ててパスもさばける群馬の4番、トレイ・ジョーンズ選手。何度か引き離されそうな場面で福島は3Pが決まり、予想以上に競った展開に。群馬の身体能力が高い外国人選手に対し、福島はミスマッチが生じてもすぐにカバーで対応。特に狙われやすいSFのマッチ・アップでの菅野選手の懸命なディフェンスが光りました。

 

 第3Q、福島が単調な3Pを3連続で外す一方、群馬はトレイ・ジョーンズ選手のアシストにマイケル・パーカー選手が上手く合わせ引き離しにかかりますが……ここで流れを渡さなかったのが村上選手。ドライブ&3Pを決めるべきところできっちり決めます。このQの主導権争いは、両チームとも絶好のタイミングでタイム・アウトを取りあうというコーチ陣対決にも発展し、さらに中盤からは村上選手vsマイケル・パーカー選手というチームの大黒柱対決の様相を呈していたような気がします。2人とも要所での集中力とプレイの精度が高く、流れの奪い合いに決着がつかないまま、63-67の3点ビハインドで最終Qへ。

 

 第4Q、一時逆転するもののすぐに取り返され、残り3分5秒の段階で7点ビハインドに。ここから福島は必至のディフェンスで群馬に得点を一切許さず、フリー・スローもきっちり決め、残り1分6秒で神原選手の3Pが決まり85ー85の同点に。そして残り10数秒の段階から村上選手がドライブでマークを振り切り、ラスト2秒で放ったフローター気味のレイアップは……リングに嫌われOT突入!

 まさか延長にまでもつれ込むとは微塵も予想していませんでした。むしろ、こないだの茨城戦以上のワンサイド&フルボッコにならないことすら祈っていました。B2首位に喰らいついて、主力選手のファウル・トラブルにも関わらずここまで善戦した以上、あと5分で勝たなくては!今後のプレイ・オフや将来B1昇格がかかったゲームで勝ち切れるチームになるための登竜門、と僕はこのOTを位置付けて必死に応援しました。

 

 延長戦、スタートからマイケル・パーカー選手が連続得点。(素人なりの勝手な予想ですが)彼は新しくなった群馬というチームをステップ・アップさせるため、任せるべき部分はチーム・メイトに任せ、決めるべき時は自分で決めにいくプレイ・スタイルをとっているように思えます。その彼が、最終局面で試合を締めにかかり、98-92で惜しくも群馬の連勝を止めることはできませんでした。

 

 もちろん悔しいですが、この前の茨城戦の連敗の時とは180度違うものです。時々「このチーム、強いのか弱いのかよくわからない」と混乱することがありますが、今日も会場を後にしてからずっとそんな気持ちでした。それがこのチームの魅力でもあると思っています。そして何より、今シーズンのチームの急成長の証となる激闘を目の前で応援できたことを誇りに思います。