大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

この時期になると聴きたくなるJ-pop5選

 昨年の今頃はコロナについてまだまだ未知な部分が多く、桜を楽しむ余裕なんてほとんどなかったので、今年はそんな去年の分まで取り返したい今日この頃です!

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週末の雨で散らないといいけれど

 ......とはいえ、別にお花見には出かけません。ただ、平日の夕方に人気のなくなった近所の貯水池の外周の、オレンジ色の外灯に照らされた桜の下を自分の走りたいペースに任せて駆け抜けていくあの瞬間が、よくわからないけれどたまらなく好きです。

 

 そして、‟去年の分まで桜を楽しんでやるぜキャンペーン”の一環と称して、これまで新年度や新生活が始まる節目節目で耳にした曲を、今年は積極的に聴いています(注:当ブログの執筆者は基本的にJ-popの類は聴かない&意識的に避ける人種であることを鑑みると、これは極めて稀な現象)。

 

 そんな独断偏見尖った嗜好性美学に満ち満ちたJ-pop5選を、個人史(黒歴史とも言う)を紐解きながら、御紹介させていただきたく思います。

 

1.「Diamonds」プリンセス プリンセス

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 中学入学後、トランペットの個人レッスン(※長続きしなかった)の帰り道、車内のラジオから流れてきた際、運転していた父(※この方も非J-pop愛好家)が「なかなかいい曲だな」と意外なコメント。「学校のお昼の放送で流れてたけど、なんか流行ってるみたい」と、当時会話はそれ以上発展しなかったのですが......。

 その数年後、なんとその父がシングルを購入していたことが発覚(※これは今なお大澤家の珍事Best10の一つ)!

 ......さらにその数年後、いい感じで泥酔した父が「ダイアモンドだよ~」と歌詞を間違えたまま歌唱するという珍事件も(※This is a pen. がある種不条理な例文であるのと同様、「ダイアモンドだよ~」という文章が用いられるにふさわしい文脈や状況を僕は想像することが出来ません)。

 2017年、市民ランナーとして初めて走った『円谷幸吉メモリアルマラソン』(10km)のスタート前、準備体操中に聴いていたのもこの曲でした。

 

 

2.「春咲小紅」矢野顕子

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 大学合格直後、見知らぬ土地でのアパート探しの帰り道、高速道路へつながる幹線道路で大渋滞。疲労とストレスが危険水域に達しそうになっていた父親と僕を救ってくれたのは、車内のラジオから流れてきた脱力感と躍動感が同居した不思議なこの曲

 ボーカルのトーンとグルーヴのギャップに、二人で「なんだこの曲は?」と思わず吹き出しました。一向に進まない車の列、片側4車線の無機質なアーチ橋から臨む川と雲の流れ、新生活に対する不安......あの時の情景とどこまでもことごとくミスマッチだった分、思い出に残る曲です。

 

 

3.「Shangri-La電気グルーヴ

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 高校生のある時期から突然ハマった電気グルーヴオールナイトニッポンだけでなく彼らのインディーズ・アルバムまで手を出していた僕ですが、この曲のリリースは大学入学前後のドタバタと重なり、その存在を暫くは知りませんでした。

 最初にどこかの有線で耳にした時には「電気がこんな綺麗な曲を作るはずない!」と信じらず、隣にいた友人に何度も「これ、ほんとに電気の曲?」と確認し、友人から「お前が知らなかった方が驚きだ」と言われたのもいい思い出。

 一人暮らし&大学生活をスタートした当初は、毎日の密度が異様に濃い日々の連続で、今思えば入学前後から5月の連休明けくらいまでの‟密度”は、残りの大学生活すべてを足しても、それすら凌駕していたような気もします。

 

 

4.「明日、春が来たら松たか子

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 そんな感じで始まった新生活。確か4月末に大学の3号館の生協で初めてこの曲を耳にしました。その時は「せっかくメロディーラインが秀逸なんだから、もっとちゃんと音程がとれる人が歌えばいいのに。もったいない」くらいの印象で、この曲の良さを正しく認識できたのはそれからもう少し経った後でした。ちなみに、リリース日は前述の「Shangri-La」と同じだそうで......実はこの記事を書いてる今日知りました。それにしてもなんて偶然だ

 

 

5.「桜」川本真琴


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 大学1年生の終盤から簡単な機材を使って作曲の真似事らしき稚拙な創作活動ごっこを始めたのですが、どうやら僕はリフや主旋律から作っていくタイプらしく、こんな風に詩とメロディーを構築することや、言葉から旋律を紡げることができるのは才能に他ならないなぁ、と今でも感じています。

 

 

 最後に蛇足的アドバイス。浪人を経てから大学生活をスタートする場合、同じ大学1年生であっても現役合格の新入生との精神年齢に1年以上もの開きが感じられると思います。むしろ、感じられなかったらおかしい。この1年、迷い、悩み、必死でいろいろ考えた時間の蓄積は、客観的な1年以上の厚みがあって当然

 …...が、だからと言って1コ下に対して妙な優越感や呆れ、苛立ちなど感じる必要はありません。スタート時のアドバンテージは一過性。つまらない自己陶酔に浸っていたり、ぼーっと生きてれば、あっという間に‟貯金”は底をついてしまいます。

 僕にとってとても幸運だったのは、アパートの隣人が1コ上の経済学部の浪人経験者で、とても面倒見の良い頼れる兄貴だったこと。そして、同じ哲学科に4コ上の社会人経験者の一見風変わりな男がいて、彼が学科唯一の親友且つライバル兼メンターだったこと。

 二人の‟兄”に恵まれたことも、大学生活の財産です。皆様にも、どうか素敵なめぐり合わせがあらんことを。