大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

福島ファイヤーボンズ 2020-2021シーズンの振り返り その④

はじめに

 

 10月2日の開幕戦を前に、そして来週スタートする東北カップ第1回戦の前に、自分の気持ちの整理も兼ねてボンズの昨シーズンを振り返ってみようと、長く‟下書き”に眠っていた原稿に加筆・修正を始めたのですが……‟寝た子は起こすな”という教訓を痛感した次第です(笑)。

 このとりとめのない一連の記事も、今回の‟その④”が最後。今回はボンズを取り巻く状況についての個人的見解をまとめてみようと思います。

 

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いろいろな選手の意外な一面が発覚(!)したブースター感謝祭

 

 

Bリーグへの感謝と、これから期待すること

 

 コロナ禍にあって対策を最後まで徹底してリーグを、シーズンを、各ゲームを運営された関係者の皆様方には感謝しかありません。ストレスフルな状況にあって、声は出せないものの地元チームを間近で応援できる機会があることは、新シーズンも大きな救いです。

 ……予算やいろいろな制約があるかもしれませんが、今後の日本のバスケットボールの発展のためにも、是非(たとえB2であっても)ビデオ・リプレイやビデオ判定などより客観的なジャッジ・システムの導入を御検討していただければ幸いです。

 

 昨シーズン、特に不可解だったのはフィジカル・コンタクトに対するファールの線引きの曖昧さでした。ある審判が笛を吹いたプレイと同様の接触でも、審判がローテーションすると吹かれなかったり、その逆のケースも然り。HCやコート上の選手のみならず、ブースターや観客も「この時間帯はここまではファールにならない」「この笛以降は全部ファールになる」といった相対的な線引きを意識し、それは会場全体で共有されています。その線引きの共有を審判間でも徹底していただければと。ローテーションした直後、‟前例”を全く踏まえずに、教科書通りの杓子定規なジャッジを意固地になって押し通されても、本人様以外誰も納得はおろか理解もできません

 また、判定を有利に持ち込むためだけのアピールなのか、それとも自分の選手を守るための主張と確認なのかを聞き分ける技量を持った方にこそ、試合を運営していただきたいと思います。

 プロ・スポーツの発展には審判のレベルの向上が必要不可欠です。前述したチャレンジ・システムの導入と併せて御検討をお願いします。

 

 

会場と全体的な雰囲気について

 

 入口での検温&アルコール消毒の徹底に加え、観戦ルールが守られていない方への細かな注意喚起など、通常時の運営以上の負担を担っていただいているスタッフやボランティアの方々があってこそ、会場へ足を運ぶことが出来ました。この場を借りてお礼を申し上げます。1ブースターとして、新シーズンも観戦ルールを遵守し、皆様のお荷物にならぬよう心掛けていきます。

 

 運営的な部分で気になったことが一点。猪苗代湖ズの『I love you & I need you ふくしま』はハーフ・タイムではなく、ゲーム終了後に流すののはどうでしょうか?折角の名曲でも後半戦開始直前の臨戦態勢時にはややミスマッチだと感じられました。

(これは我々ブースターの責任でもあるのですが)相手チームにプレッシャーをかけまくるべき第3Qの開始前に妙にまったりした挙句、ゲーム再開後にのんびり席に戻ってくる牧歌的なホームのままでは、B1昇格が仮に果たせてもすぐに降格を迎えてしまいそうな気がします。

 

 昨シーズンの茨城ロボッツの応援やB1ファイナルの宇都宮のブースターを見ていて感じたのは、強いチームはブースターの意識も高いということ、そして、そういったブースターの熱意が時にチームを強く後押ししているということです。B1昇格を果たすのであれば、我々もチームと共にここからあともう少しステップ・アップする必要があると感じました。

 単に3Pが決まった時にお決まりのように手を上げたり(……あれは後ろで見ている他のブースターや初めてボンズの試合を見にきた方からすると迷惑以外の何物でもないので、今後も僕はやりません)、わかりやすいダンクの時だけ盛り上がったりといった単なる同調行動を卒業し、相手の3秒バイオレーションをチェックしたり、選手のダイブはチームを問わず讃えたり、ボール以外のところでの各選手の貢献も見抜けるような、そんなバスケ文化がチームの発展と共にこの地に根差すことを願ってやみません(……試合前後の審判や相手チームへの惜しみない拍手は、継続していきたいホームの誇るべき美点だと思います)。

 

 NYのMSGで2013-14シーズンのNBAのウォリアーズvsニックス戦を観た時に「流石バスケの国だなぁ!」と思ったことの一つは、審判のジャッジよりもワンテンポ先に観客が一斉に「そいつぁトラベリングだろう!」とゼスチャーを交えて抗議したり、審議中に足まで踏み鳴らしてプレッシャーを掛けまくるシーンでした(……最初はちょっと怖かったけど、すぐに心地よく感じました)。

 また、アウェイ・チームのステフィン・カリー選手第3Qでトリプル・ダブルを達成し、‟お役御免”でコートを引き上げる際には多くの観客が立ち上がって惜しみのない拍手を贈っていました。誰であろうと、偉業を成した者は讃えるというアメリカの古き良き精神がここにはまだ息づいている、と感じた瞬間でした。

 競技は異なりますが、イチロー選手が出場した試合をヤンキースタジアムで観ていた時にも感じたことは、こちら‟本場”の人たちはとにかく目が肥えまくっているということ。そして、各自普段は自由な観戦スタイルで適当な楽しみ方をしていて、決して同調行動的な応援はしないものの、勝負所だけは絶対に見逃さず、そういった場面ではしっかりと熱い応援をするということです。

 

 

 

最後に

 

 今回の一連の記事を書きながら、コロナ禍にあって苦しみながらもなんとか前進しようとする我々の非日常なる日常と、さまざまな逆境の中にあって最後までプレイオフ進出を諦めなかったボンズの歩みが重なっていたかのような気持ちに何度か襲われました。……単なる錯覚ではないと思っています。

 B1昇格をかけた新シーズン、まずは僕自身がB1に行くチームの1ブースターと呼べるにふさわしいだけの予習と準備して、バスケットボールへの理解をより深めていこうと思います。