大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

下線部英訳の注意点

 今回は、全国の受験生(※特に現役高校生)に対しての簡単なアドバイスを。(既に御存じであれば釈迦に説法なのですが)記述・論述問題の模範解答は飽くまでも一例です。「公式の解答ではない」ということを十分に理解した上で、決して鵜呑みにはせずに参考程度に留めて接する必要があります

 

参考例題:2011年度 東北大学 前期日程より一部抜粋

アルキメデスは風呂の中で浮力の原理が頭の中にひらめいた瞬間、「ユーレカ!(「わかった!」)」と叫んで風呂から飛び出し、裸のまま街を走ったという。

 

 この下線部和訳に対しての注意点&減点対象となるポイントを簡単に列挙すると、

  1. 「風呂」≠the buth
  2. 「ひらめいた」≠come up with, discover
  3. 「瞬間」≠when
  4. 「わかった!」≠I have got it!
  5. 「叫ぶ」≠cry, scream
  6. 「飛び出し」≠get out
  7. 「裸のまま」≠run naked

 

 ……本当に素晴らしい模範解答も中にはあるのですが、全体的に見れば玉石混交が現状。特に下線部英訳に際しては、「訳語は文脈から決定する」及び「再現すべきは字面ではく内容」という金言がございます。よって「和英辞書にはこう書いてあったから」の発想で選択した訳語は、先に列挙したように、むしろ対応しないケースが圧倒的に多いということ。

 

 特にある一定のレベル以上の記述・論述問題に対して、決定的な差を生むのは「模範解答にこう書いてあったから」と思考停止してしまうのではなく、「市販問題集の模範解答から先のレベルへ」という意識と視野の広さに他なりません。