下線部英訳の注意点
今回は、全国の受験生(※特に現役高校生)に対しての簡単なアドバイスを。(既に御存じであれば釈迦に説法なのですが)記述・論述問題の模範解答は飽くまでも一例です。「公式の解答ではない」ということを十分に理解した上で、決して鵜呑みにはせずに参考程度に留めて接する必要があります。
参考例題:2011年度 東北大学 前期日程より一部抜粋
アルキメデスは風呂の中で浮力の原理が頭の中にひらめいた瞬間、「ユーレカ!(「わかった!」)」と叫んで風呂から飛び出し、裸のまま街を走ったという。
この下線部和訳に対しての注意点&減点対象となるポイントを簡単に列挙すると、
- 「風呂」≠the buth
- 「ひらめいた」≠come up with, discover
- 「瞬間」≠when
- 「わかった!」≠I have got it!
- 「叫ぶ」≠cry, scream
- 「飛び出し」≠get out
- 「裸のまま」≠run naked
……本当に素晴らしい模範解答も中にはあるのですが、全体的に見れば玉石混交が現状。特に下線部英訳に際しては、「訳語は文脈から決定する」及び「再現すべきは字面ではく内容」という金言がございます。よって「和英辞書にはこう書いてあったから」の発想で選択した訳語は、先に列挙したように、むしろ対応しないケースが圧倒的に多いということ。
特にある一定のレベル以上の記述・論述問題に対して、決定的な差を生むのは「模範解答にこう書いてあったから」と思考停止してしまうのではなく、「市販問題集の模範解答から先のレベルへ」という意識と視野の広さに他なりません。