たとえ機会が消滅しても
郡山校&宇都宮校の生徒の皆様、こんにちは!
英語科の大澤 秋津(高1からQueenの大ファン!『ボヘミアン・ラプソディ』は宇都宮・郡山・仙台で計3回見た後、Blu-rayももちろん購入!)です。
本日、4月29日は『第27回 郡山シティーマラソン大会』......の予定でしたが、まぁ、こういう状況なので早々に中止が決定した次第です。
初参加の第25回大会(2018年)は、いろいろと運営に問題があり(①最後の300m前後のコース幅が狭い上に小学生ランナーの子どもたちが合流して危険な大渋滞、②ゴール後の導線に問題があり完走表をもらうまでに20分以上炎天下の中立ち往生、③スタッフ不足で喉が死ぬほど乾いているのにポカリがもらえない、④完走表発行所のすぐ側に何故かポップコーンの無料サービス……いいから!水くれ!、などなど)、某ランナーサイトでは満足度が30点台後半(注、100点満点です)という、僕の高校時代の最初の物理の定期考査といい勝負というありさま。
......ところが、なんということでしょう!去年の第26回大会(2019年)では上記の問題点がほぼ全て解消されているという劇的な改善が見られたのです!それこそ『郡山シティーマラソン ビフォー&アフター』みたいな番組が作れるくらいの変化でした。
今年はどのような進化を遂げるか楽しみにしていたのですが......なんということでしょう!(←例のナレーターの声で脳内再生お願いします)中止が決定した後にエントリー料が全額返金となったのです!2年前には劣悪だったあの大会が(←失礼)、ここまで良心的にランナーに対応してくださるとは!
......なので僕は考えを改め、これからは地元開催のこの大会の進化を応援しつつ、これからも参加し続けたいを思います!
去年の『第10回 いわきサンシャインマラソン』が天候(雪による路面凍結)のため中止になり、『東北・みやぎ復興マラソン2019』と『第37回 円谷幸吉メモリアルマラソン大会』が台風19号のために中止となり、そして今年の『第11回 いわきサンシャインマラソン』と『第27回 郡山シティーマラソン大会』がコロナで中止。
……今振り返ってみると「なんと計5回も中止になっていたのか」と我ながらびっくり。少し前までは「なんか呪われてるのかなぁ?」と落ち込んでいましたが、僕だけでなく日本全国の市民ランナーは、まぁだいたい同じような状況を経験しています。
初めて大会の中止を経験した時は3日間くらい魂が抜けた状態でした。吹雪の中、40km走ったり、食事管理や体調管理を徹底したり、コースの下見を入念に行ったり......それまで積み重ねてきた練習の成果をぶつける機会そのものがなくなってしまったことを、どのようにしてとらえるかには、とにかく時間が必要でした。
かなりの時間を経て、今では「大会中止も市民ランナーが背負う宿命のひとつ」ととらえています。大会中止の発表を知る度に感じる悔しさや、ぶつけようのない感情自体は今でもあまり変わりません。その一方で、たとえ今回の機会が消滅しても、自分のやること、そしてやりたいと思う気持ちと意志には何も変わりがないということに気づきました。
僕は村上春樹のファンではありませんが(そしてもちろんマスコミがやたらフォーカスしたがる‟ハルキスト”という人種でもありませんが)、彼の長編小説はどういう訳かほぼ全て読んでいます(総合的にみると『海辺のカフカ』が一番好きかも)。
筋金入りの市民ランナーとしての彼が記した『走ることについて語るときに僕が語ること』というエッセイには、共感できる部分があります。走ることを通じてストイックに自らと対話している作家の書くものなら、たとえ信条が違っていたとしても信頼できる、というのが‟村上春樹について語るときに僕が語ること”なのかもしれません。