大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

大西泰斗先生と僕

郡山校宇都宮校の生徒の皆様、こんにちは!

英語科大澤 秋津(好きな社会学者はマックス・ヴェーバーエーリッヒ・フロム、そして小熊英二 ※順不同&敬称略)です。

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超簡単!サバ缶とトマトのシンプルパスタ

 (以前言及したように)もともと僕は英語が大の苦手でしたが、浪人生の時、母に教えを請い、それが英語を読むことの本質的な技術を学ぶ第一歩であり、英語と和解するきっかけでした。

 今回はもう一つの大きな転機について述べようと思います。紆余曲折の末、2003年からスタートした僕のキャリアですが、最初の数年は英語と社会科の教科の両方を担当していました(当時無謀にも英語と世界史の‟二刀流”を志していたのは……若気の至り以外の何物でもなかったと思います)。

 その2003年に父親が「これ面白かったから読んでみろ」と勧めてくれたのが……

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『英文法をこわす』は近々復刻されるそうです

 『英文法をこわす』という一冊の本。当時の自分にとっては読んで知ることの全てが新鮮で、非常にスリリングな体験でした。「英語ってこういう言語だったのか」という‟発見”と同時に、「このレベルから英語を学ぶことができていたら……」と、ちょっと悔しい気持ちにさえなりました。

 そして、これが僕のもう一つの原点です。英語は大変ですが妥協せずにちゃんと学べば面白い。逆に言えば、ちゃんと学ぶ機会があれば楽しくなる。無味乾燥な(そして時に受験テクニックのみが先行する)英語教育による自分のような‟被害者”を一人でも減らすこと。これが僕の使命だという気持ちは今でも変わりません。

 

 そこから僕なりに試行錯誤を重ね続け、教える技術を磨くと同時に自分の英語力も伸ばそうと月日が流れ、そして2018年、ある講演会で大西泰斗先生ご本人に直接お会いする機会がありました。

 いざご本人が登場すると、TVやラジオで‟いつもお会いしていた”通りの大西先生で、開演前の緊張と自己分析不可能な複雑な気持ちはどっかに消えていました。

 講演後の質問コーナーでの「(今後の英語教育改革については)むしろ予備校や個人塾の先生の方が公のカリキュラムにとらわれない分、可能性があると思います」という発言にはっとさせられました。僕はこのとても大きな‟宿題”に対する解答を(方向性はかなり明確になってきましたが)まだ模索中です。

 

 最後にサインと握手をしていただける機会がありました。NYヤンキースタジアムで初めてイチロー選手を生で見た時くらい落ち着きませんでしたが、同時に僕には彼に直接伝えたいことがありました。

 いよいよ僕の番が来ると、彼は開口一番「イケメンだねぇ!俳優さんかと思ったよ」と気さくに声をかけてくださりました(この言葉を太字にするか否かは最後まで迷いました。たとえ社交辞令だとしても……今でも死ぬほど嬉しい!)

 『英文法をこわす』にサインをいただく時に、「父が教えて教えてくれたこの本が今でも僕の原点の一つです」とお伝えし、「これからも一予備校講師として自分にできることを模索しながら、英語教育改革によってもたらされる地方格差と戦います」と直接宣言させていただきました。

 とても力強く握手で応えていただいた、あの感触は忘れません。休校が決定し、全国的にも教育が停滞・麻痺した状況下で僕を駆り立てている要因の一つは、この日の約束です。

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家宝