大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

Exodus Velocity

 以前、このブログで女子マラソン高橋尚子選手について触れる前に「適当なことは書きたくないな」と下調べを行っていたところ、とても響く言葉に出合いました。

 

何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。

 

 また、僕自身、ここ最近はコロナ禍を含めた種々様々な問題を敢えて‟逆風”と総称し、「今暫くは頭を低くしてこの逆風をやり過ごしながら、しっかりと根を下ろすことに専念する時期」と自分に言い聞かせていました。

 

 夏期講習最終日、宇都宮校から徒歩10分内にある母方の御先祖様の眠るお寺にお盆のお参りが出来なかった不義理を取り繕おうと向かったところ......

 

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もはや運命というか、天啓というか......

 

 このお寺の入り口の掲示版の言葉にはこれまでも何度となく救われてきましたが、今回は横っ面を殴られたような気持ちです。入り口が見えてくるまで、ここ最近風力勢力を増す一方の‟逆風”についていろいろと考えながら「(御先祖様を前に)流石にちょっと弱音が出てくるかも」と感じていた矢先に、この言葉。

 あまりのタイミングに思わず「このブログ、(御先祖様たちに)絶対チェックされてる!」と勘違い。5Gの通信網が極楽浄土まで及んでいるとは…...恐るべしICT

 お墓の前で手を合わせる頃には、一体何を報告しようとしていたのかすっかり忘れる程。代々教員の家系である母方の大川家には、優しさと厳しさが大きな器の中で共存している方々が多く、まず絶対に中途半端な救いの言葉はかけません。祖父が存命なら、一言一句同じことを言っていたと思います。

 この視点はまさに自分に欠けていたものだったので、ショックのあまり照り付ける太陽の下、お墓の前で言葉を失ってしまいました。なんだか小学生の頃に戻ったように「おじいちゃん、おばあちゃん、もう少し頭を使ってみるよ」と宣言するのが精一杯でした。

 

 同時に、自分の名前の候補の一つに‟櫂”という名前があったことも思い出していました。お寺を後にする頃には「仮に帆が上げられないのであれば、その時は自力で漕ぐまで」という気持ちになっていました。

 

 そしてその日の夜、以前テキストに引用したヘンリー・フォードの名言を思い出しました。

 

When everything seems to be going against you, remember that the airplane takes off against the wind, not with it.

(万事が逆風のように思える時には思い出してほしい。飛行機は向かい風によって飛び立つのであって、風に乗って飛び立つのではないのだ)

 

 …...いろいろな物事が全てある一点を指し示しているような、そんな一日でした。