大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

最終確認!共通テスト:リスニング第1問

 急遽、妙な使命感(※心理学ではメサイア・コンプレックスともいう)に駆られて始まった今回の企画ですが……当初、僕の計画ではリスニングにまで手を出すつもりはありませんでした。

 でも、たとえ受験指導レベルであっても、今日の日本で(←なんだがスケールのデカい話になってきたぞ)正しく&まともなリスニング指導が行われているか?という問に対しておよそ肯定的な返答ができない現状を踏まえ......やることにしました!

 当然ながら、「放送原稿のここがキーワード」と指摘するだけの解説はしません。解法解答の根拠、そして直前期の今だからこそ疎かにして欲しくない対策方法をまとめていきます。

 

リスニング第1問A(2021.1.15)

  • 音声が流れる前に選択肢を全て読むことは難しいので、①主語は全て共通か、②時制は全て共通か、③全ての選択肢に含まれる語句はないか、を優先的に確認しておく。
  • 問1:全ての選択肢にjuiceが含まれていることを確認し、放送のCan I have ~が②の~ is askingに対応。2回読まれる問題で1回目に解答できた際は、2回目の放送では自分が選んだ選択肢と音声との間の表現や内容の対応、言い換えを確認する。
  • 問2:The speaker wants to ~ beach. を確認した上で、放送ではHow about ~提案していることから、④のwants to visitとの対応を見抜く。
  • 問3:Chiba(場所)とnext week(時間)が問題となっていることを確認し、音声のYuji moved から時制が過去であることを把握する。(ちなみに、①は状態動詞の進行形なので「(普段とは違って今だけ特別に)千葉に住んでいる」といったニュアンスを含んだ表現。)
  • 問4:DaividとThe speakerのice creamを巡る関係が問題となっていることを確認し、態を入れ替えた②を選ぶ。リーディングだけでなくリスニングにおいても本文もしくは放送内容の態を入れ替えたものを正解とするケースがあることを想定しておく。また、2番目の発言の I gave him someのsome がsome ice cream を受けた代名詞として使用されていることにも注意。代名詞化、言い換え、省略がごく自然に起こるのが会話や口語表現

 

リスニング第1問A(2021.1.30)

  • 問1:The speaker wants ~ を確認し、音声の When ~?及び、時刻を示す前置詞 at が用いられた At three ? から④を選ぶ。
  • 問2:The speaker has ~ tie / ties と、単数or複数も問題となっていることを事前に把握しておく。音声のonlyに引っかからず、代名詞化したones (=ties) を聴き逃さないこと。
  • 問3:2021.1.15の第1問Aの問4のように、the speakerのその場にいないもう一人を話題にした発言においては、二者の関係の把握が重要となる。音声を聴き取れても、選択肢の①や②を処理する際に混乱しないように注意。
  • 問4:未来表現が共通していることを確認し、音声(but I haven't finishd wrapping her present yet. So I'll be late for her party)から‟ケーキの包装が終わったら遅れてパーティーに参加する以上、包装は近い将来終わる”と判断する。

 

リスニング第1問B(2021.1.15)

  • イラスト問題に対しては、最初に間違い探しクイズのようにイラストの共通点相違点をチェックし、音声による描写の上でポイントとなりそうなところを把握しておく。
  • 問5:音声のAlmost everyone ~がポイント。共通テストでは数量表現に対する微妙な加減まで聴き取れるかどうかも試される。短絡的にeveryoneのみに反応するような、1単語レベルの拾い聞きでなんとかしようという受験生を徹底して根絶しようとする出題意図は、センターからの伝統
  • 問6:消去法で①を選ぶ。消去法を用いるためには、音声のhas already hadを聴いて、現在完了形 ⇒ イラストで描写されている買い物が進行中という状況を説明していない、と瞬時に判断できるかどうか(次の文では、Now she's buying ~ と現在進行形に御丁寧にNowまで加えてイラストの状況を説明している)。イラスト問題に限らず、音声がどのシーン、いつの時制のことを述べているかに対して意識し、問題用紙の図表や英文と、今聴いている音声との関連性を把握すること
  • 問7:音声が流れる前に、誰が誰の絵を書いているかがポイントとなることを予想しておく。

 

リスニング第1問B(2021.1.30)

  • 問5:can と can't の聴き分けについては、reduction( ≒ 弱化)が起こる子音の t の音は、発言者が発音しているつもりでも、非ネイティブ・スピーカーにとっては実際に発音されているかどうか怪しいレベルなので、これを鼓膜振動からキャッチしようとしない。can't の a にややアクセントが置かれており、また、(聴き取れなくとも)t は実際に発音しているだけの長さで can't は発音されている。繰り返すが、reductionに対しては聴覚で対応するのは不可能実際に自分が発音できるレベルまでのreductionにしか非ネイティブは反応できないという前提に立ち、復習の際に放送原稿と音声を参考に音読は継続する。直前期だからといってただ聴いて演習を繰り返すだけでは無意味
  • 問6:事前にイラストから、①誰から誰に対する発言か、②ステーキは単数か複数か、がポイントとなることを把握しておく。また、音声では two steaks ではなく both plates となっている。このようにイラストと短絡的に直結した単語や表現が常に読まれる訳でなないので、解答の際に特定の単語が読まれることを強く意識して待ち受けているということが無意識に起こっていないか注意する
  • 問7:簡単な比較構文だが、聴き取った後「AはBと同じくらいに ~ ない」の日本語訳にいちいちあてはめてから考えている時間はない。簡単な比較構文はイラストだけでなく、この後の図表の問題でも頻出&重要なので、もし不安が残るのであれば文法書や辞書を例文を介しながら確認する。また、今回は不正解の①,③,④の位置関係を、原級比較を用いて自分で描写し発音するといったアウトプット系の練習をしておくことが、リスニングにおける比較構文の攻略の鍵。