大澤 秋津 official blog

或る市民ランナーの内省録

激走!第53回 東和ロードレース大会(10km)

 僕としてはやや不本意な結果に終わってしまった10月16日の『第40回 円谷幸吉メモリアルマラソン大会(half)』の一週間後、今回の『第53回 東和ロードレース大会(10km)』の試走を行なった際のタイムは折り返し地点で35分、フィニッシュは57分でした。

 さらにその一週間後(=大会一週間前)、もう一度試走に挑んだ際は、折り返し地点で28分、フィニッシュは51分と、大幅にタイムを縮めることができました。

 ただ、この時の走りがかなりの絶好調だったため、調整やコンディションによっては、もしかすると本番はもう少し遅いタイムになるかもという懸念があり、逆に、51分からさらにタイムを縮める自信は、正直、あまりありませんでした

そして、いよいよ大会本番!

 6時45分に起床して、お餅とお味噌汁を軽く食べ、会場に。前日、髪を切ってもらった際に「絶対に、タイムは縮まりますよ!」と激励のお言葉をいただいたことを思い出し、「今日、下手なタイムで終わったら合わせる顔がないなぁ」と若干のプレッシャーも。

文字通り、雲一つ見当たらない快晴!

気合いは十分なのですが……

 僕は練習でも本番でも、ほぼ必ず帽子を被っているのですが、今日はまさかの忘れ物!こんなこと初めてだ……。スタート時間が迫る中、雲が出てくる気配は一切ないものの、「まぁ、サングラスがあるからいいや!」と覚悟を決めました。

 

 『目標タイム50分〜』のプラカード近くに並んで、いざスタート!今回はいつもと違ってスタート前のウォーミングアップをしっかりやっておいたおかげで、比較的いい感触でスタートを切ることができました。

 これまでの試走を分析した結果、折り返し地点以降の後半ではこれ以上タイムは短縮できない、という結論に達したため、今回は「上り坂でも、受動的にただ我慢するだけでなく攻め気を忘れない」念頭に。いよいよ2km手前の地獄坂に突入したのですが……やっぱりキツいものはキツい。気のせいか、身体がキレていた先週よりも、しっかり調整した今回の方がキツい気がしました(後から振り返ってわかったのですが、原因は先週以上のペースで上り坂を攻めていたからです)。

 それでも、少しでも平坦or下り坂になったらしっかりとストライドを広げ、勝負を仕掛ける予定の4km地点よりも手前であっても、ちょっとでも攻めるべき所は抜かりなく攻め切るつもりで走ることを心掛けました

 これまでの大会では、僕は上り坂になるとやたら抜かれることが多かったのですが、どういうわけか今回はその上り坂でゆっくりと一人、また一人と抜き去るケースが意外でした。

 そして4kmから意識的にペースアップ。先週の試走では、下り坂をピッチ気味の走法とストライド気味の走法の両方を試してみたのですが、僕の場合、このコースの下りの傾斜に対しては、どんなに回転数を上げてもピッチ気味の走法では対応できないと判断し、今日は下りは全てロングストライドで、意識的に大地を蹴るように走りました。

 折り返し地点で時計を見ると、なんと26分かなりの手応えと共に、前半戦での消耗が先週よりも激しいことに不安を覚えましたが、「どうせ最後の2km以降は下りだから(足が売り切れても)気合いでなんとかする!」と手綱を緩めず後半戦へ。

 やはり前半戦がんばった分、先週と違って最後の3kmあたりで一気に苦しくなり、同じ上り坂のはずなのに先週よりも傾斜や距離が増しているような気さえしました(←被害妄想)。

 なんとか最後の上り坂を越えた復路の地獄坂(通称“極楽坂“)周辺地点で、もう余力はなかったのですが、「ここまできて、ここで手を抜くのか?」と自問自答し、即答を得た直後からロングスパートに突入しました。下り坂なので他のランナーも相当にスピードを上げて走る中、シューズの接地性能を信じ、これまで以上にストライドを広げ、地球の重力を加速に変えるように走り、かなりのランナーを抜き去りました。もともとストライド気味の走法が自分の本来の走りだという自覚はあったのですが、ここまでハマったのは初めてです。

 ただ、下り坂での通常以上の加速に対し、心肺機能がついていかず、最後の1kmはインターバル走で自分を追い込むかのような走りでした。もっと早く走りたいのに、身体が悲鳴を上げてそれが叶わず、だからといって減速する気もないので、そのままアクセルだけは踏み続けるといった感じです。

 

 ゴール後、意識が混濁し、胸のあたりが万力で締め付けられるような感覚に倒れそうになるのを、橋の欄干に手をついてかろうじて支えたまま、しばらくは動けませんでした。ポカリを紙コップで続けて2杯いただき、アスファルトに腰を下ろすと、もう二度と立てないような気さえしました

 ゴール直後に時計を止める余裕すらなかったのですが、家人が大会HPでタイムを確認したところ……

まさか……先週からさらに3分縮まるとは!

 先週の試走は自分にとってかなりの手応えだったので、今回の記録は信じらません。ただ、気持ち良く走り切った先週と打って変わって、最後は苦しみながら死に物狂いで駆け抜けた今回の方が結果が良かったのは当然だと思います

 

 これ程の難コースで自分の限界を破って結果を出せたこと。そんな自分を(久々に)誇らしいと感じました。そして、本当に何かを成し遂げたいのであれば、ある一線を強固な意思で踏み越えなければならない、ということを今回の挑戦から、文字通り身体を通して学びました

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